第12回 指輪

 

第12回 指輪

 

 

 私、指輪を一つも持っていないんです。
料理をするときに邪魔だから、という理由もありますけど、でも私、一時期ジャラジャラしたインドのブレスレットを外さない時期もあったりして、思い出して冷や汗出しました💦。
コロナの手洗い励行下の今考えたら、ありえんっ!という感じですよね、ビビります。ジャラジャラしたアクセサリーがあったら手洗いはかなりめんどうくさいし、衛生的に考えて、許せんっ!ともなりますよね、マジ冷や汗💦。指輪しないどころじゃありませんでした

 

 料理に向いている手だね、と言われることもありますが、太い指と力強い掌の私。どう考えても指輪は似合わないです。子供の頃は一年中霜焼けみたいな指だね、と言われていました。思い切りぷくぷくしていたんだろうなあ。そういえば当時流行りのオーバーオールを着た高校生の頃には、20代のお姉さんお兄さんから、「かわいいねー、トマトみたいだねー」と言われたのも覚えています。トマトがどう可愛いのか、つまりは真っ赤なほっぺたのまんまる顔だね、ということだったんです。服は、ロックスターに憧れたヒッピー系でした。

 

 <若いお嬢さん>がするであろうおしゃれには全く縁がありませんでした。女っぽい服やくるんと跳ねた巻き髪、華奢なアクセサリーなんて絶対するもんか、問題外や!だったわけでして。
<まあ、お金も全くなかったので、モテ系お姉さん風になりようもなかったわけですが>

 

 脱線し続けております。話したかったのは、指輪のことでした。
大人になった今、例えばなんでもいいから何か買いたいなんて思う時がたまにあって、デパートに行ってみたりするわけです。ああ、あれも欲しいこれも欲しい、これはどうかしら似合うんじゃないかしらなんてショッピング欲に目を爛々と輝かせるときに、あるジャンルは全く考慮しなくていいんです、それが指輪。まるで関心がないから。
そういえば女子的なブランドバッグにも宝石にも関心がない、これは楽だなあ、とあるときわかったんです。
はてしない物欲に翻弄されるときに、「あ、全然いりません、欲しくない。」とするりと削ぎ落としたように思えるってちょっと、悟っちゃった高僧のような気分。
なんて、申し訳ない。わかっております、揺るぎない俗な視点からの発言であります。

 

 でもね、このアウト・オブ・眼中、結構いいんです。
たくさんありすぎる選択肢から解放される。選ぶことの負担がなくなる。
例えば私、若い頃からイケメンにもアイドルにも興味がなく、また最近はテレビも片付けちゃいました。テレビ、よく映らなかったり、設定がすごく大変だったことが発端でしたが、そのうち観ないことに慣れてしまいました。ネットでテレビのニュースもドラマも見れる時代だし、YouTubeやNetflixもあるので、グータラ時間の配分が大きく変わったわけではありませんが、それでも、いつも同じ視点から報じられるニュースやコマーシャルを押し付けられることなく過ごせるようになりました。あるときネットで、コマーシャル付きのテレビ番組をみて、ああ私、CMやオーバーに盛っていく話の構成が嫌いだったんだ、とわかったのでした。

 

 お金をもっともっとと使わせようとする消費物質文明の、ごくごく小さな部分で自分の選択をしていると思え、溢れる情報に翻弄されないですむようになりました。
なくても困らないものが増えていく、生活がシンプルになっていく。年を取るっていうのも悪くないなあ、と指輪なしのシワの手を見ながら思っているのです。

 

 

 

 

次回は、2021年8月下旬更新予定です。お楽しみに!