こんにちは、エコデパスタッフの目代です。この春、エコデパで新登場となった「AW.Leather」。「動物福祉」とも訳されるアニマルウェルフェアの理念に沿って、大切に育てられた「自然豚」から生まれた、オリジナルのレザー製品です。
今回はいまや国際的な共通認識であり、日本でもようやく広まりつつあるアニマルウェルフェアについて、そして私たちが「AW.Leather」に込めた思いをご紹介いたします。
アニマルウェルフェアの理念について
アニマルウェルフェアとは動物福祉とも訳され、家畜やペットなどの動物たちが「それぞれの動物の本能にしたがって・その動物らしい行動を取れる環境で・いきいきと命を全うすること」を目指す飼育のあり方です。
《世界の動物福祉の基本理念「5つの自由」》
1.飢えと渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛み、傷、病気からの自由
4.正常行動発現の自由
5.恐怖や悲しみからの自由
高度経済成長期には、「安く」「大量に」「安定的な」供給を求める消費者の需要にこたえるため、ともすれば家畜動物の「暮らし」がないがしろにされがちでした。
一般的なスーパーで売っている安売りの卵は、なぜ安いのか。卵に限らず、お肉も牛乳も、衛生的で安全な物を安価で提供するために、その動物本来の行動を制限する環境や方法で飼育されていることも多く、知ろうとしなければ想像もできないような現実があります。
「アニマルウェルフェア 動物の幸せについての科学と倫理(佐藤衆介)」では、家畜の飼育方法についてこう記されています。例えばニワトリの場合、日本ではほとんどが「バタリーケージ飼育方式」で飼育されています。
「バタリーケージ飼育方式」は金網で作られたカゴで、広くてもA4サイズに一羽、狭ければB5サイズに一羽という収容密度です。そして、さらなる生産性の向上のため、そのカゴが2〜3段、多ければ8段重ねられることも。
本来ニワトリは羽ばたきや羽繕いをし、餌を探して地面をつついたり、止まり木で休息するなど、多様な行動をとって一日を過ごします。しかし狭いケージの中は、羽ばたきをすることもままならない環境です。
ニワトリだけでなく牛や豚なども、このような正常行動が発現できないことでストレス状態が続き、異常行動を起こしたり、病気になって死んでしまうこともあるのです。ちなみにEUでは、2012年からバタリーケージの使用が禁止されました。
アニマルウェルフェアの心で暮らすということ
では、アニマルウェルフェアの理念に沿った暮らしをするためには、何をしたらいいのでしょうか?例えば「今日からヴィーガンになろう」と決心しても、様々な加工品や調味料の中にも動物性原料が使われていることに驚いたり、外食の難しさを感じることがあるかもしれません。
または「もう革製品は使わない」と決めても、やっぱり革製品ならではの風合いに惹かれることもあるのではないでしょうか。かといって、罪悪感を強く感じながら暮らすのはとても苦しいことですよね。
そこで、まずは書籍などを通してアニマルウェルフェアについての理解を深めることからはじめることをおすすめします。そして今のご自身の暮らしと照らし合わせてみましょう。
場合によっては日本の畜産の現状や、これまで背景を知らずにお肉や卵、革製品を手にとっていた自分に、怒りや悲しみ、罪悪感を感じることもあるかもしれません。それでも、私たち人間は「他のいのちをいただくことで生きられる」ということは、変えられない事実です。
「エシカル(倫理的な)」という価値観が広まりつつある今、動物もひとつの大切な「いのち」であること、「いただきます」とはその「いのち」をいただくこと。まずはそういった、私たちが古くから持っていたマインドを見直し、改めて実感する必要があるのではないでしょうか。
そして今日からはじめられるアクションの一つとしては、できるだけアニマルウェルフェアの理念に沿って育てられた動物のお肉や、卵、革製品を選ぶように心がけることです。ブランドやデザイン、価格だけでなく、「どのように育てられたのか」を確認してみましょう。
また、アニマルウェルフェアだけでなく環境負荷の軽減という視点から、一週間の中でお肉を食べない日「NO MEAT DAY」を作るという選択もあるようです。
これからの時代「アニマルウェルフェアの心でどう暮らすのか」ということだけでなく、「私たちがどう生きていくのか」ということについても、一人一人が考える機会が増えていくのではないでしょうか。
私たちが「AW.Leather」に込めた思い
そんな中、エコデパを運営する生活アートクラブは、アニマルウェルフェアの精神の元”しあわせに育った豚”と出会い、革製品の製作に取り組む機会に恵まれました。
動物も、動物を育てる人も、その「いのち」をいただく私たちも、皆が大切に「いのち」を扱う未来を想い、この革製品が皆さまに長く愛されることを願っています。
水と植物でやさしい革をつくる技術
「AW.Leather」シリーズの製品で使われている革の鞣しの製法は、クロムなどの金属系なめし剤を一切使わずミモザアカシアの樹皮から抽出した植物タンニンを使用しており、日本エコレザー認定の基準もクリアしています。
人の手で作られ使われ、やがて役目を終えるモノが自然循環の一部に溶け込むように、と生産者が信念をもって開発した製法のなめし革をどうぞお楽しみください。(皮革製造:山口産業株式会社)
すっきりとした丸みシルエットが印象的なポシェット
使うシーンを選ばないシンプルな形のポシェットです。ショルダーストラップは長さ調節ができ、取り外せばクラッチバッグとしてもお使いいただけます。
コンパクトながらも収納力は十分。内ポケットが3箇所付いているので、しっかり中身を整理できます。
機能美にこだわった、シンプルで上質ながま口型のクラッチバッグ
大きめのつくりになっており、クラッチバッグ・財布・ポーチ・ペンケースなど、マルチな使い方が可能です。これまでがま口を購入した経験が無い方にこそ、おすすめしたいアイテムです。
デザインに合わせ特注したマット調ゴールドの金具が、洗練された雰囲気を演出します。
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コンパクトで機能性の高い二つ折りウォレット
女性の手で扱いやすいサイズにこだわったウォレットです。革の引き手が付いたL字ファスナーなので開閉もスムーズで、外側に1箇所、内側に5箇所にカードポケットがある充実の収納力です。コンパクトで手に馴染む質感とデザインです。
札入れの片側が開いており出し入れがスムーズです。
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程よい革の厚みが手に馴染むキーホルダー
シンプルながらも存在感のあるフラットタイプのキーリング仕様です。革本来の柔らかさは保ちつつ、しっかりとした作りで持ちやすいのが特徴です。革を二重に貼り合わせています。
また、「AW.Leather」のアイテムはギフトにもおすすめです。
いかがでしたでしょうか。今回はアニマルウェルフェアと「AW.Leather」を特集してご紹介しました。まずはいつものお買い物からアニマルウェルフェアについて考えてみませんか?
<参考・引用文献>
・佐藤衆介、「アニマルウェルフェア 動物の幸せについての科学と倫理」、財団法人東京大学出版会、2005年6月16日
・アニマルライツセンター公式サイト(https://www.hopeforanimals.org/eggs/abroad/)、2022年4月14日参照
ーこのコラムの書き手ー
スタッフ・目代 / mokudai
神奈川県横浜市出身で、夫と7歳の子どもとの3人暮らし。蚊に刺されやすい。
好きなもの / コーヒー、クリームソーダ、ヨガ