こんにちは、エコデパスタッフの目代です。今回は、先週に続いて「美しい海を守るために、私たちができる『脱プラアクション』」をテーマにお届けします。
多くのプラスチック製品を生産、消費している日本。大量のプラスチックが日常的に利用される暮らしが当たり前になっており、1人当たりの容器包装等プラスチックの発生量が世界で2番目に多いとされています。そして世界第3位のプラスチックの生産国として、世界の海洋プラスチックごみ問題の一因を作りだしていると言われているのです。
「プラスチックの海洋汚染問題」や「マイクロプラスチック」については、「美しい海を守るために、私たちができる『脱プラアクション』ー食器洗い編ー」で詳しくご紹介しています。まだお読みでない方は、そちらからご覧ください。
>「美しい海を守るために、私たちができる『脱プラアクション』ー食器洗い編ー」はこちら
前回はご家庭でできる「脱プラアクション」として、食器洗い(スポンジ)についてご紹介しました。今回は、食品の保管など便利な食品用の「ラップ」をクローズアップします。
ついつい「ラップ」を多用していませんか?
私たちの暮らしに欠かせない「ラップ」。日本では1960年に家庭用ラップの販売が開始されました。市販のラップはどれも同じように見えますが、素材が異なる場合も。主に使われているのは「ポリエチレン」や「ポリ塩化ビニリデン」などで、プラスチックを原料に作られています。
素材によって耐熱温度や耐冷温度が異なり、食品安全委員会の「食品用ラップフィルムから溶出する物質について」では、次のようなことが注意書きとして記載されています。
「市販のラップフィルムには、材質、用途や耐熱温度などの特性、取扱い上の注意事項などが表示されています。注意事項に従わない使い方をするとラップフィルムが破れたり溶けたりして食品に入るおそれがあります。注意事項に従った取扱いをすることが必要です。」
「油性の強い食品を電子レンジで加熱する場合は、ラップフィルムで直接包まず、食品を深めの耐熱容器に入れ、ラップフィルムは食品に直接触れないように容器にかぶせて使用する。」
ラップは基本的には使い捨てのため、食器洗い用スポンジなどの繰り返し使うプラスチック製品に比べて、ゴミになるまでのサイクルが短いという特徴があります。
また、スーパーでお肉やお魚を買う時についてくる食品トレーと違って、ラップは丸めてしまえば量(かさ)が小さくなります。1回に捨てる量は少なく見えても、使用頻度と捨てる頻度が高ければ、自ずと廃棄量も多くなってしまうのです。
今日からできる、未来を見据えたラップの使い方
プラスチックゴミを減らすために、そしてよりよい未来を作っていくために、私たちはどのようにラップを使っていけばいいのでしょうか。
・包むものの大きさ・量に合わせて使う
勢い余ってラップを出しすぎたり、汁漏れなどを心配するあまり何重にも包んでいることはありませんか?必要最低限の量を使うように心がけるだけでも、ラップの消費量は減少します。
・ラップに代わるアイテムを使う
これまで当然のように食品の保管などに使ってきたラップですが、本当にラップでなければならないのでしょうか。
例えばごはんの残りを冷蔵庫で保管する際、洗って繰り返し使用できるフタ付きの容器を使えば、ラップを使わずに済みます。フタ付きの容器がない場合も、深めのお皿に入れて、ひっくり返した平皿を乗せればフタになります。
最近ではラップ代わりに使える、シリコン製のフタや「蜜ろうラップ」も見かけるようになりました。また、古くから日本で使われていた「さらし」もラップの代替品として注目されています。
繰り返し使えて、炊事に家事に大活躍の「未晒し木綿」
オーガニックコットンで作った無漂白のさらし。精錬工程においても石油系界面活性剤不使用なので、食品に触れたり、赤ちゃんやお肌の弱い方にも安心してお使いいただけます。
ラップ代わりに包んだり、そのまま冷凍や解凍も。もちろんふきんとしても使え、アイディア次第で用途が広がります。薄くて早く乾き、洗ってくりかえし使えるエコ製品なので、使い捨てのラップやキッチンペーパーの使用量を減らすことにつながります。
使い方の例
・おにぎりを握る時に
水で濡らして絞った「未晒し木綿」でおにぎりを握れば、炊きたてごはんでも手が熱くならず、ごはんもくっつきません。
私の場合、おにぎりは手でそのまま握るか、キッチンペーパーを水で濡らしたものを使って握っていました。キッチンペーパーを使うと手が熱くならないのはいいのですが、ラップ同様使い捨てです。また水で濡らした後、慎重に絞って広げないと破れてしまうことも。
その点、丈夫な「未晒し木綿」ならギュッと絞っても安心です。また、手に水をつけて直接おにぎりを握った時と比べて、水気がごはんに均等に行き渡るためか、ビシャッとすることもありません。5歳の娘は「さらしを使って握った方が美味しい!」と言って食べています。
・豆腐やヨーグルトなどの水切りに
・野菜の水気を取る時に
・コーヒーのドリップに
・せいろでの蒸し料理に
サイズは幅34cm×長さ200cm。用途に合わせてカットしてお使いいただけます。(はさみで切り込みを入れれば、裂くことができます。)
台所以外でも、赤ちゃんのお口拭きや沐浴布、布おむつとして。マスクの内側のあて布や、傷の手当てなど、暮らしの様々な場面で活躍します。
吸水性・抗菌力・通気性も◎包んで、敷いて使える「クッキングウッドシート(経木)」
「未晒し木綿」で握ったおにぎりを包みたいときは、北海道産のシナの木を薄くスライスして作った「クッキングウッドシート」がおすすめです。漂白剤などの薬品を一切不使用なので、安心して食品にお使いいただけます。
またシナには吸水性・抗菌力・通気性があり、おにぎりを包む際や、天ぷら等の揚げ物料理にも最適。
使い方の例
・揚げ物料理に
・お肉やお魚の保存に
ドリップを吸ってくれるので肉や魚の味と鮮度を保ち、調湿効果で食材がパサつきません。冷蔵庫で保存する時に、また冷凍のお肉やお刺身の解凍にも。
また、肉や魚をまな板で切る際、食材の下に敷くとまな板に汚れが付かないので、匂い移りや抗菌性が気になる方に。
・お弁当の仕切りとして
はさみで丁度いい大きさにカットして、バランやアルミカップの代わりに。余分な油や水分もウッドシートが吸ってくれるので、お弁当にぴったりです。
>「クッキングウッドシート 30枚入 北海道産経木」はこちら
食品の保存、調理に繰り返し使える!プラスチックフリーの「Stasher(スタッシャ―)」
環境に配慮した、安全で繰り返し使える特許取得・純度100%のプラチナシリコーン製の密閉保存シリコーンバック「Stasher(スタッシャ―)」。約3000回の冷凍・加熱に耐えられるから経済的。ピンチロックシステムで密閉できるので液漏れもしません。
作り置きのおかずや残り物のご飯を冷凍、冷蔵保存することができ、ラップ(プラスチック)の使用削減にもつながります。
耐熱温度は250℃、耐冷温度は-18℃。加熱・冷凍OK。幅広い温度に対応しています。電子レンジ、コンベクションオーブン、湯せんでの調理、冷蔵、冷凍での保存、食洗機での洗浄が可能です。
いかがでしたでしょうか。今回は「美しい海を守るために、私たちができる『脱プラアクション』」として、食品用ラップとその代替品についてご紹介しました。
エコデパジャパンでは環境への取り組みとして、木製品をはじめとしたプラスチックに変わる製品の販売や、生分解性の高いプラスチックフリーの袋の試作を行ってきました。
これからも素材や製法など、サスティナビリティに配慮したアイテムを通して、人々の暮らしを豊かに、そして地球環境に貢献していきたいと考えています。
プラスチックごみによる海洋汚染は、途方もなく大きな問題です。国や企業などの大きな力に加えて、一人一人が暮らしを振り返り、行動や習慣を変えていく必要があります。まずは毎日使用している身近なプラスチック製品の見直しから、はじめてみませんか?
<参考文献>
・小安宏幸「地球が危ない!プラスチックごみ③」、2020年2月、株式会社汐文社
・食品安全委員会「食品用ラップフィルムから 溶出する物質について」、2020年10月12日参照
ーこのコラムの書き手ー
スタッフ・目代 / mokudai
神奈川県横浜市出身で、夫と5歳の子どもとの3人暮らし。蚊に刺されやすい。
好きなもの / コーヒー、クリームソーダ、ヨガ