川の浄化を考える
第5章 日本の下水道について
下水道の仕組みについて 下水の処理法には一般的に生物学的方法がとられている。この方法は微生物や原生動物の力を借りて下水を処理するものである。 わが国では74%の処理場が標準活性汚泥法という浮遊生物による処理方式を採用している。この処理過程の原理は、汚水中に空気(酸素)を吹き込んで好気的な微生物のかたまり(ブロックという)の増殖を促進し、その過程で微生物が汚水中の有機物を分解する力を利用するものである。これはそれまでの処理方法に比べて、大量の汚水を小さなスペースで短時間に処理でき、しかも処理水質の改善も図られるという長所があった。しかし、この方法の長所が生かされるためにはいくつかの前提条件があった。 その条件とは、①都市域の大量の下水を処理するといっても、工場排水のように何が含まれているのか良くわからない物を何でも流入させるということがないこと。②下水処理後に大量に発生する汚泥が自然の循環系へ還元可能なものであることと、還元できる農地などが処理場周辺にあること。③処理水の放流先である河川や海岸に与える影響が自然の浄化能力を超えない範囲であること。などが挙げられる。 今日ではこの前提条件が崩れて汚泥処分が廃棄物問題となり、下水処理水が水域の富栄養化の要因となるなど、新たな環境問題となっている。 もともと、下水処理の方法は「度のような街作りをするか」ということと深く関連しており、水源、人口、地形、放流先、産業構造と土地利用形態など、地域の自然・社会経済的諸条件の様々な組み合わせによってその特徴を生かした処理方法が採用されるべきで、活性汚泥法もいままでの問題点を解決する方向への新たな発展が期待されている。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |