川の浄化を考える

川の浄化に関する活動について

川と環境について、ご一緒に考えていきましょう。
水鳥が憩い、魚が飛び跳ね、蛙のなきごえに、幼時を偲ぶことの出来る川環境を作るのが、私たち、「生活アートクラブ」 の主張であり、目的です。

川の浄化に関する活動について
生活アートクラブ代表 富士村夏樹

水の世紀と言われる21世紀―

私たち生活アートクラブが主旨とする活動は、植物廃油のリサイクルせっけんづくりによる家庭排水の汚染防止、下水処理センターの処理負荷軽減、及び竹炭を利用した河川の積極的浄化を目的として、河川の浄化をテーマとした障害者の社会参加促進も兼ねたプロジェクトです。

行政依存から個人責任への意識改革
主役は家庭、企業はサポート役
地球規模で広がっている水汚染―水の浄化をどのようにして行なうかが大きな課題としてクローズアップされている。

水質汚染の原因は、生活雑排水や工場排水のほか、山林の荒廃などによる土砂の流出、酸性雨や大気汚染などの複合汚染が考えられます。特に生活雑排水は河川や湖沼の汚染源として大きな割合を示しますが、家庭でのちょっとした工夫、例えば節水や洗剤の使用量の調整、廃油の処理方法などによって下水処理能力を大幅に改善することができるのです。日本の場合、公共下水道の普及が先進国の中では遅れているため、近年は水道水の取水源である河川自体に大きなダメージを与えてしまっているのです。


「家庭単位で取り組む地球規模プロジェクト」
 のコンセプト

ゼロエミッションを前提とした積極的水環境改善2大活動

活動その1)
食廃油回収とリサイクルせっけんづくりの循環型ネットワークの実現
美葉うぉっしゅを開発するまで



活動その2)
森林保護と育成を兼ねた竹炭による河川の浄化活動・リカバリーを開発するまで


水の世紀と言われる21世紀
生活アートクラブの基本理念
この活動は、資源リサイクルによる生活排水の負荷軽減と、竹炭利用による積極的な河川の浄化を2大テーマに、障害者の社会参加促進も兼ねた画期的プロジェクトである。

環境問題は大きな輪と協力が必要です。
特に水問題は世界的に極めて深刻です。

わたしたちは次世代から借りてきた水によって生きているという意識をもっと持たなくてはなりません。
日本の、そして地球の水を永遠に残していくために、良いことはみんなで取り入れ、悪いことは話し合って、家庭単位で実践していこうではありませんか。
水を使う人も処理する人も、個人、企業、そして国家も、それぞれの立場を超えて、共通の人という原点に戻り、共同協力の精神に基づいて一緒に水環境を考えていかなくてはなりません。

主役は家庭、企業はサポート役
循環型社会における大きな輪づくりを企業はサポート。

各家庭はリサイクルせっけんと粉砕竹炭入りせっけんの使用で、家庭単位で実践できる排水の負荷軽減と積極的浄化を支援します。

日本人が水の大切さを唱する世界のリーダーになる
長寿国世界一を作った誇れる日本食、稲作、水産資源-もっとも水の恩恵を受けた日本人こそが、今こそ水の大切さを提唱する世界のリーダーにならなくてはなりません。


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川の浄化に関する活動について
生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます
第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます

水道水がまずい!
水道水がまずい!かつては水の都と言われた日本がなぜ?蛇口からでる水を飲めなくなってしまったのだろうか。ペットボトル入り水をわざわざ遠いところからエネルギーを使って運びゴミを増やしつづけ、水が汚れていることがあたりまえにならないように、、、。

私たちは化学合成物質に囲まれています!
私たちの住む環境は祖父母の時代とは違います。化学製品や殺虫剤の使用は飛躍的に増え清掃用品、化粧品、虫除け、合板、農薬、香水、脱臭剤、タバコ、ビニール、食品添加物、自動車、ペンキなど合成化学物質はたくさんの商品につかわれている。

アレルギー、シックハウス症候群などに脅かされる日々
家庭用品に含まれる有機リンなど猛毒の化学物質による生活雑排水による汚染、下水処理のシステム、産業排水によるトリクロロエチレンによる地下水の汚染、農薬使用による土壌汚染、水道水は塩素消毒によるトリハロメタンの発生、これらはアレルギー、シックハウス症候群、化学物質過敏症、環境ホルモンなどなど健康を害し暮らしを脅かします。


国に任せっきりの解決では時間と莫大な費用と、膨大なエネルギーが必要となります。

私たちは良い水を飲む権利を持っています
個人がいい水を飲む権利を主張するのであれば、汚さない義務を果たすあたりまえのことを日常生活で行うだけでもずいぶん解消するでしょう。家庭単位で主婦ができることお台所で色々な対策をすると2~3割負荷が減ります。

家庭単位で、私たちが出来ること
東京湾域2600万人の2~3割の人が協力すると1日6トンのCODが減る計算になります。地球はちょっとお疲れ気味、これ以上負担をかけないようにしたい。

昔の日本人の知恵には見習うことがたくさんあります。浄化を考えると炭が地球を救うのは本当かもしれない。便利で安い合成洗剤がなかったころは汚れを落とすものとして石けんが贅沢品として使われていました。プラスティックがなかった頃は竹ですべての道具をつくっていました。植物を有効に使うから水をきれいにし、水が空気をきれいにします。

便利だけでなくちょっとした工夫を楽しむことや、良いものは良いと知らない人にしらせてあげるそんな世の中が自然であたりまえだと思うのです。


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川の浄化に関する活動について
生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます
第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

第1章 水と人間の関わり

地球の表面の約70パーセントは水で覆われている。

海は生命発生の起源である。

水は命の源である。

私たち人間のからだも65パーセントから85パーセントが水で出来ている。

すべての生き物に欠かすことの出来ない水だが、普段はあまり気にかけていないのかもしれない。

蛇口をひねれば水が出てくる。

私たちはこれをあたりまえだと思っている。

しかし、渇水は二十一世紀の深刻な国際問題となるだろう。

かつては水の都とまで言われた日本の水も、環境悪化が進むにつれ汚染されてしまった。

森林伐採、過剰な農薬散布、化学物質の氾濫、耐性菌の出現、そして河川の汚濁の元凶といわれる合成洗剤などの家庭排水。

世界は将来の世代から水を借りているのだから、後世に少しでもいい水を残せるよう思いをめぐらせてもらいたい。

「川の浄化をまじめに考える」では私たちの生活に密着した水について、現状の認識と今後の対策について考えてみました。

みなさまのお役に立てれば幸いです。


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生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます
第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

第2章 水の大循環

水は暮らしや産業の中で使われ、やがて川や海へ注ぎ、蒸発して雲となり、空を駆け巡り、雨や雪となり、また地上へと帰ってくる。

私たちが出会う水はそんな大いなる循環の途中。

水は永遠の旅人である。

だから水を迎えてくれるはずの自然が失われたり、大切にする人がいなければ、水はその土地からすぐに立ち去ってしまうだろう。

また、水を汚す心無き人がいたら、その汚れはどこまでも運ばれて私たちの生活を著しく脅かす存在にもなりかねない。

1)水は地球上をどのように循環しているのか?

水は地球上を絶えず循環している。

その水の循環の主役を果たしている自然の仕組みは、蒸発散と降水である。

まず、大気中の水蒸気は雲となり、それが雨や雪などとして降ってくる。その降水の量は年間平均49.5万立方キロメートルで、その内訳は、海へ約38.5万立方キロメートル、陸地へ約11万立方キロメートルとなっている。

降った雨雪の85パーセントは海上から、人間が使用した水も含めて残りの15パーセントは陸上から、蒸発散して空へ戻るのである。なお、樹木の表面などからの蒸発を特に「蒸散」というが、ここでいう蒸発散は主に太陽エネルギーによるものなので、地球上の地域別の蒸発散量は、南北の緯度で30度以下の赤道地帯付近がもっとも大きくなる。

このように、地球全体としては、蒸発散と降水の収支はほぼバランスが保たれているという事になる。ただ、より細かく見ると、陸上では降水量の方が、逆に海上では蒸発量の方が、それぞれ約40万立方キロメートルずつ多くなっている。結局、陸上での降水は、このさに相当する量だけ大気中を経て、海から補給されているわけだ。逆にそれとほぼ同量の降水が、河川などを経て地表からの流出や地下水の滲出(にじみ出ること)というかたちで海へ戻っている。水の循環という自然の仕組みは実に見事である。

2) 国民全員が水を汚している

家庭の台所やお風呂、トイレ、洗濯などから出る生活排水が、水の汚れの大きな原因である。一軒の家から流れ出る排水はわずかでも、それが地域や市町村あたり、そしてひいては大陸レベル、地球規模でまとまれば想像もつかない大きな汚れとなってしまうのである。

3) 経済成長優先は何を招いたのか

商業やレジャー施設のための大規模な埋め立て、ダム建設、地下水の汲み上げ、工場排水、車の排気ガスや排煙に含まれる亜硫酸ガスやイオウ酸化物が大気中の水蒸気に触れて硫酸塩や硝酸塩に変化し、それらを大量に含んだ酸性雨が地上に降り注ぐ。雨水は土砂とともに大量の有機塩素系の農薬、化学肥料、除草剤、殺虫剤などの合成化学物質を土壌にしみこませ、地下水を汚染し、川まで運び、森林伐採や工場排水は沿岸地帯の環境破壊、水辺の生物や植物性プランクトンの生態系をも狂わせてしまった。

4) 水は地球の血液

広辞苑によれば「循環」とは「一回りして、また元のところに戻り、それを繰り返すこと」とある。つまり、循環とは流れることに価値があるのである。流れが滞ったり、澱んでいるような事では循環とは言えない。私たちのからだに流れる血液と同じなのである。血液はからだに必要な栄養や酸素を瞬時にして運ぶので、これがたった一瞬でも流れなければ致命傷となってしまう。そういう意味で、大昔から自然が作り出した流れともいうべき「水の大循環」は、だれにも邪魔されること無くスムーズに循環して欲しいものだが、残念ながら経済発展とともに人間の手によって様々な流れの妨げとなる障害がもたらされてしまった。

ますます健康を維持することが難しくなってきた時代、命の源である水環境は私たちの健康にも大きな影響を与えるのである。


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第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
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第3章 海に囲まれている日本

1)豊富な水産資源と恵まれた降水量。森林がプランクトンをつくり漁業を育てる

四方を海に囲まれている日本は、昔から良質な水を手に入れることが出来、また豊富な水産資源に恵まれていることから漁業が栄え、日本人は魚や海草、貝類など、豊富なミネラルを含む海の幸を食してきた。日本には黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)など潮の流れがぶつかり合う好条件の漁場がいくつもあり、そこはプランクトンにも恵まれ、潮流に沿って様々な種類の魚が集まってくる。

狭い国土のわりに標高の高い山岳地帯があること(川が急流)、比較的土壌が新しいこと、森林も多く、また年間を通じて充分な降水量もあるため、人々は生活に必要な水を比較的容易に確保することができる。水質はこのような地の利を生かし、世界でもトップクラスの良質な水であった。

2)世界に誇れる日本食

私はかねてから、日本が世界に誇れるものは「日本食」であると言ってきた。

日本人の平均寿命が世界一であることは、医学の進歩を挙げるより日本人が大昔から食してきた日本食、つまり毎日の食生活にこそ大きな要因があると信じている。

健康を作るのは医学でも薬剤でもなく「食」である。

なぜなら、仮に医学の進歩が健康を作るものであるのなら、欧米諸国のほうがもっと長寿であって然るべきだ。

日本人は昔から海草や魚介類といった豊富な海産物を身近に入手することができ、からだに必要な良質の水が簡単に手に入った。米を主食としてきたのも稲作に有利な水の利があったからこそだ。

そう言う意味で、日本人は健康を手に入れる絶好の環境に恵まれていたのである。

ところが戦後、日本人は何でもアメリカの合理性を真似、合成化学から遺伝子組替え、さらには私たちがもっとも誇れる食文化にまで彼らの文化を模倣してきたのである。

特に昨今の若者に於いては、かつての日本食文化は崩れつつあり、ハンバーガーなどの合理性食品や缶詰、インスタント類などを常時、食するようになってしまった。

3)日本人こそが水の大切さを提唱する世界のリーダーになるべきだ

私は日本人こそ世界で最も水の恩恵を受けてきた国民といっても過言ではないだろうか。良質な水の循環こそが、森を作り、漁場を活気づけ、農業の発展を促し、人々を健康にしてきたのである。このことを身をもって経験しているのだから、もう一度基本に戻って、日本人こそ「水の循環」の重要性を世界に提唱していくべきではないだろうか。


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生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます
第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

第4章 水道水の浄化処理方法

水道水の安全性について考える前に、まず水道のシステムをざっと見ておこう。

日本の水道は、43パーセントが河川水、30パーセントがダム、18パーセントが大きな井戸、8パーセントが伏流水、1パーセントが湖水を水源としている。

この原水は各地の浄水場に送られてきて、まず粗いごみなどが除かれる。むろん、それだけでは多くの不純物や細菌が含まれており、これを根本的に浄化するのが次の濾過工程となる。

濾過する方法はニ種類、一つ目は細砂を敷き詰めた広大な砂濾過池で徐々に濾過する「緩速濾過法」と、もう一つは原水中に硫酸アルミニウムを入れて汚染物質を凝集し、その塊(フロック)を沈殿させて上澄みの水を濾過、その前後に塩素処理を行なう「急速濾過法」である。

元帥がそれほど汚染されていなかった頃は「緩速」方式が日本では主流だったが、時間がかかり、広大な浄水場が必要なため、都市部を中心に「急速」方式にうつりつつある。特に液体塩素の注入により、腸チフス菌、赤痢菌、大腸菌、病原ウィルスなどを完全に殺菌消毒するのが利点とされている。

水道水は、たしかに原水からいって自然の水である。ただ、その原水は特に大人口を抱えた大都会の場合、汚濁水と呼んでも過言ではないような汚い河川や貯水池のものを使わなければならない。関東では、埼玉県朝霞浄水場の水質検査で、利根川朝霞付近の平均濁度90度、水1リットルあたりの細菌数は一万個という結果が出ている。大阪の淀川も似たり寄ったりの汚染状態である。

このような汚水に等しい原水を、ともかく最先端の化学技術ではほとんど完璧といわれるほどに浄水し、各家庭に送り届けているのが現状なのである。

有り難いと言わなければならないことだが、その最先端技術が加わった水道水は、いわゆる「人工水」ではないにしても、どうしても自然の水とは隔たりを認めないわけにはいかないだろう。残念だがこれも「安全」のためには致し方ない。

原水を汚しているのは、産業排水、農業排水、それに家庭排水である。それらには時に、毒性の化学物質、残留農薬、合成洗剤などが含まれている。

河川などの地上水から多くの原水を求めているわが国では、原水に対して強力な塩素消毒が求められる。水道水の不評の主因となっているカルキ臭さ、つまり塩素臭はここから来ているわけだ。「安全」は不可欠だが、水道水の「おいしさ」を妨げている最大の原因がこの塩素なのである。

1)楽観できない日本の水

自然の汚染の中で無視できないのが「酸性雨」だ。何しろ「レモン液」といわれるほどの酸性雨が世界各地で見られるようになっているのである。日本でも全国ほとんど例外なく酸性雨が降っている。Phで表される水素イオン濃度の値が、中性の7より小さいほど酸性度が強くなり、5.6以下の雨を酸性雨という。現在日本、或いは世界各地で降っている酸性雨のph値はもっと低く、だいたい5以下、4台が多くなっている。いかに酸性の度合いが強いかがこれでわかる。

酸性雨の原因は、なんといっても石油炭素系の燃焼による排ガスだ。理化学産業を中心に各種工場に於ける化学燃料の消費増大、さらにモータリゼーションの普及が排ガスに拍車をかけている。特に日本海側では、工業化がめざましく進む中国大陸から偏西風に乗って運ばれてくる大気中の硫黄酸化物が、雨に解けて降ることが少なくない。

いまや、空気も雨も水も、汚染はグローバル化しているのである。浄水の必要はもちろんだが、求められるのは汚染の原因にメスを入れる根本的な解決だ。近代の産業構造や生活形態から見て、このままでは汚染は拡大するばかり、いよいよ深刻なのである。

日本の水汚染の現状、および将来の見直しは、決して楽観するものではない。私たち自身がおいしい安全な水を飲む、或いは飲めるようにするというだけでなく、水、そしてこの自然を守っていくということは、子々孫々に対する私たちの義務であり、責任なのである。

2)合成洗剤から水を守ろう!

河川を汚染するものとして古くから考えられていたのは、人間や動物の排泄物である。便所のことを、昔は「かわや」といっていた。すなわち「川屋」で、昔の人は川の上に便所を作り、排泄物は川に流していたのである。昔は衛生思想が進んでおらず、汚物を危険視することがなかったが、川の流れによる自浄作用にも頼っていたのであろう。

河川はもともと自浄作用を持っている。しかし、流域に人口が急増し、排泄物のほかごみや下水などの廃棄物が多くなると、自然の浄化作用ではとても間に合わないのである。自然の資源に限りがあるように、自然の浄化力は無限ではないのだ。

日本でも水洗トイレの普及と下水道の整備は進んでいるが、それでも欧米諸国に比べると、まだまだ「後進国」と言わざるを得ない。パリなどには巨大な下水道が通じていて、パリの下にもう一つのパリがあるといわれるくらいであるが、日本ではまだ下水道管が用いられている現状だ。

家庭排水を通じて原水を汚染しているもので、近年問題になっているのが合成洗剤である。合成洗剤は石けんと違って天然油脂からでなく、石油などを合成して作られることはご存知の方も多いと思う。

石けんがアルカリ性なのに対し、合成洗剤は水に溶けると中性を示す。一般に石けんよりも洗浄力が大きいとされているので、食器にも衣類にもほとんど一般的に使われている。現在、合成洗剤は90%の家庭で使われているといわれている。問題はその泡で、自然界で分解されにくいため下水処理に難題があるのだ。その上、リンの含有量が多いので公害として、排撃運動が激しく起きた経緯も有る。その後、リンのソフト化あるいは無リン化によってこの点は改善されているものの、野菜や果物など食品の戦場には注意が必要で、厚生労働省でも「侵漬時間を5分間以内とし、その後のすすぎを十分するよう」と進めている。しかし、下水処理の問題は山積するばかりで依然解決しておらず、水質汚染防止という立場からは、合成洗剤よりもなるべく石けん洗剤を使用するよう呼びかけや運動が盛んになってきている。いずれにしても日常の心掛けと実行、これが水と自然を守る事につながっているのである。

3)水道水に含まれる発ガン物質「トリハロメタン」

トリハロメタンは水中の塩素と有機物が反応してできる有機ハロゲン化合物の一種で、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類が有る。これらの物質が水道水から検出され、トリハロメタンには発ガン性が認められていることから大きな問題となっている。水道水は人が一生涯飲みつづけるものだから、長期的に飲用しても安全であることが必須条件であることは言うまでもない。そのため、日本やアメリカでは、4種類の総トリハロメタンの量が1リットル中0.1ミリグラム以下という暫定制御目標値が設定されている。

トリハロメタン生成は、原水の汚濁と塩素注入量の増加にその原因がある。都市への人口集中は河川や湖沼などの水質汚濁を進行させ、また人口増加のために都市部に供給するための水道原水量が不足した結果、汚濁が進行した水源からも取水せざるを得ないのである。

汚濁した原水中には有機物、アンモニアなど塩素と容易に反応する物質(塩素消費物質)が含まれる。塩素消費物質がない、あるいは少ない水を塩素処理する場合は塩素の注入量は少なくてすむが、塩素消費物質を多く含む汚濁した水を完全に消毒するには、その分だけ多く塩素を注入せざるを得ないのである。

水道原水の汚れの原因は流域環境で異なるが、大都市周辺の河川や湖沼では、自然かい由来の物はごくわずかで、70~80%以上は人為的に発生した生活排水や産業排水によるものなのである。水道水中のトリハロメタンの削減のために、世界各国の水道事業体では現在の浄水処理システムに活性炭やオゾン処理などの高度処理を付加して、トリハロメタンの前駆物質となる有機物を除去する技術や、塩素処理の代わりにオゾン、二酸化塩素、クロラミンなどの代替消毒剤を開発、検討している。

近年、水道水の味の悪さ、塩素注入量などの懸念、トリハロメタンなどの危険がマスコミや一部の学究や有識者によって報じられていることもあって、水離れ減少はますます加速している。

本来、人間は生水、自然水を日常飲用して、健全な生命の源泉とすべきであるのに、その結果、ミネラルウォーター、パックやボトルの水はいうまでもなく、いたずらな加工と添加物処理などをした「酸素のない死んだ水」いわゆる人工水が巷に氾濫している。水道水を飲んでいるのは国民の約1割以下とも言われているのである。

このような現状は、国民衛生上きわめて深刻な問題であるといわねばならない。世界の創造、人類の起源依頼、人は水によって生まれ、育てられ、水によって生命を保持してきたのだ。本来あるべき姿の生水飲用を捨て、テレビコマーシャルなどのイメージ広告に惑わされ、環境を無視したプラスティックの生産を結果として応援するような事を続ければ、「地球温暖化」を待つまでもなく、人類を存亡の危機に追いやっていく事になるのではないかと思う。

生水、真水を飲むのは、生命の源泉を求め、これを自然に回復することが最も重要なことではないだろうか。生命の源泉には目もくれず、ただ自分だけ儲かればいい、というような考えの上に、安易で手軽な商品を販売する企業、また購入者はきっと環境が本当に良くなることなどどうでもいい、人任せなのである。自分だけが良ければいい、面倒くさいことは見てみぬふりをする、これは「心の死」を意味する。

いい水を飲むためには生活排水にも配慮した生活を心がける責任があるということ、これこそが人間再生の活路ではないのだろうかと私は思うのである。

トリハロメタンの話に戻るが、もちろん塩素だけではトリハロメタンは発生しないのだ。水道水中には原水に含まれていて濾過できなかった生活廃水や工業排水の一部の有機物などが化合してトリハロメタンが発生してしまうのだ。そう言う意味でも原水の汚染を解決することが、水道水中のトリハロメタンをなくす大前提なのである。


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第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

第5章 日本の下水道について

下水道の仕組みについて

下水の処理法には一般的に生物学的方法がとられている。この方法は微生物や原生動物の力を借りて下水を処理するものである。

わが国では74%の処理場が標準活性汚泥法という浮遊生物による処理方式を採用している。この処理過程の原理は、汚水中に空気(酸素)を吹き込んで好気的な微生物のかたまり(ブロックという)の増殖を促進し、その過程で微生物が汚水中の有機物を分解する力を利用するものである。これはそれまでの処理方法に比べて、大量の汚水を小さなスペースで短時間に処理でき、しかも処理水質の改善も図られるという長所があった。しかし、この方法の長所が生かされるためにはいくつかの前提条件があった。

その条件とは、①都市域の大量の下水を処理するといっても、工場排水のように何が含まれているのか良くわからない物を何でも流入させるということがないこと。②下水処理後に大量に発生する汚泥が自然の循環系へ還元可能なものであることと、還元できる農地などが処理場周辺にあること。③処理水の放流先である河川や海岸に与える影響が自然の浄化能力を超えない範囲であること。などが挙げられる。

今日ではこの前提条件が崩れて汚泥処分が廃棄物問題となり、下水処理水が水域の富栄養化の要因となるなど、新たな環境問題となっている。

もともと、下水処理の方法は「度のような街作りをするか」ということと深く関連しており、水源、人口、地形、放流先、産業構造と土地利用形態など、地域の自然・社会経済的諸条件の様々な組み合わせによってその特徴を生かした処理方法が採用されるべきで、活性汚泥法もいままでの問題点を解決する方向への新たな発展が期待されている。


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川の浄化に関する活動について
生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます
第1章 水と人間の関わり
第2章 水の大循環
第3章 海に囲まれている日本
第4章 水道水の浄化処理方法
第5章 日本の下水道について
第6章 下水道ものしり事典
第7章 最近の台所用合成洗剤
第8章 生活排水を汚す原因
第9章 環境への思いやり
第10章 洗剤による水汚染について
第11章 河川の水質汚濁防止方法
第12章 排水に関する法規制
第13章 生活に川をとりもどすために
第14章 川に流される大量の合成洗剤
第15章 危険な合成洗剤
第16章 台所用合成洗剤のゆくえ
第17章 合成洗剤や石けんの残留
第18章 石けんは環境や体にやさしい
第19章 界面活性剤の役割
第20章 化粧品に含まれる指定成分
第21章 合成洗剤についてのQ&A
第22章 竹が環境浄化に役立つ理由
第23章 美女の肌を守りつづけた炭
第24章 炭の浄化力
第25章 竹炭の材料になる竹の種類
第26章 竹炭の特徴について
第27章 今自分にできることを
第28章 地球はちょっと疲れてる
第29章 HPを立ち上げるきっかけ
第30章 愛
第31章 魚と合成洗剤
第32章 竹を見直そう!
カンボジアの井戸掘り事業

第6章 下水道ものしり事典

見えない下水道がよ~く見えてくる下水道の雑学

Q マンホールのふた、なぜ丸いか知っていますか?

A 答えはカンタン。ふたが丸ければマンホールの中に落ちることがないからです。ちなみにマンホールは、下水道管の中を調べたり、掃除するための出入り口です。

Q 下水道管の大きさ、カタチ、想像できますか?

A 下水道管の大きさは、直径25cmのものから7mに及ぶものまでさまざま。2階建ての家がスッポリ入る高さ8.3m、幅7.2mの四角いものもあります。

Q もし、下水道管を全部つないだら、東京からどこまで行ける?

A 23区の下水道管を全部つなぐと、なんと約15000kmの長さになります。15000kmとは、東京からオーストラリアのシドニーを往復した距離に匹敵します。

Q 東京ドームの90倍!東京都の管理する下水道処理場の総面積

A 23区内に12箇所、多摩地域に7箇所の計19箇所が現在稼動しています。総面積は407万㎡で、東京ドームの敷地面積の約90倍という巨大な広さとなります。

Q はたして、1日にどれくらいの下水を処理していると思う?

A 23区で471万?、多摩地域で108万?。東京都全体の1日の下水処理量は、約579万?。イメージしやすいように「東京ドーム」に換算すると、ナント約4.7杯分。

Q 家のすぐそばを流れる川。一体どれくらいが下水処理水?

A 神田川の柳橋周辺では、9割以上が、また、隅田川の両国橋周辺では7割以上が下水の処理水です。下水道の普及によりリバーサイドは今や都民のいこいの場となっています


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第8章 生活排水を汚す原因
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第7章 最近の台所用合成洗剤

「植物洗浄成分」から「一滴で汚れが落ちる」「除菌もできる」「角質保護を考えた」まで、さまざまなコマーシャルが流されています。「一滴で落ちる」中味は、従来のアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの配合率を高めただけです。

「角質保護を考えた」とは噴飯物です。今までの洗剤は手荒れをおこすということを認めたようなものです。しかも依然として「角質保護を考えない」洗剤を販売しているのです。そしてその中味はアミドやベタインなどのチッ素系界面活性剤であり、チッ素による富栄養化問題を引き起こしかねません。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの非イオン界面活性剤は皮膚浸透性が強く、体内への吸収が心配になります。


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第8章 生活排水を汚す原因

生活雑排水とは、台所の排水、風呂と洗顔や洗髪の洗面所からの排水、洗濯排水を指す。トイレのし尿は雑排水とは区別して考えられている。

台所からの排水は1日1人平均30リットル、洗濯からは40リットル、風呂からは60リットル、洗濯からは40リットル、洗面が10リットル、その他が10リットルで約150リットルということになるが、これにトイレの排水が50リットル加わると合計で200リットルになる。

1人が1日に排出するBOD(生物化学的酸素要求量)は、台所から18グラム(有機物を分解するのに必要な酸素量をグラムであらわす)その他から9グラム、トイレから13グラムの計40グラムである。また、これらの排水には、リン1.2グラム、窒素10グラム、SS(浮遊物質)40グラム、陰イオン界面活性剤2.1グラムが含まれている事になる。

排水中に含まれるBOD、リン、窒素、浮遊物質などは、それ自体が土の中の微生物によって分解され植物の栄養(肥料)となる。しかし大地がコンクリートで覆われてしまうと、生活排水は土壌の浄化作用を受けることなく、分解されずにそのまま河川、湖沼、海岸に排出されてしまうのだ。

そこで都市では生活排水の人工的浄化機能(公共下水道、下水処理場など)が必要となる。しかし日本の場合、公共下水道の普及が先進国の中では遅れていて、1990年で人工比39%に過ぎない。

公共下水道の普及していない地域では、個別浄化槽も排水処理をしている。この場合、トイレの排水だけ浄化する単独浄化槽より、雑排水も一緒に浄化する合併浄化槽のほうが有効で、その機能も向上してきているものの今だ5%に過ぎない。しかし様々な許認可にまつわる利権がからみ、より性能のよい浄化槽の認可や普及を阻害している現状なのである。

生活雑排水から水の汚染を防ぐための方法について

生活排水は河川や湖沼の汚染源として大きな割合を示すが、家庭でのちょっとした工夫で、その汚染は大幅に改善することができる。ここではそうした工夫のいくつかをご紹介する。

  1. 節水 
    1日1人あたり平均約100リットルの水を使用するといわれている。日本の平均世帯員数は3人であるから、一世帯あたり平均600リットルの水を1日に使用し、これが排出される事になる。使われた水は、すでに汚れているわけで、つまり節水で水を汚さない工夫がまず考えられる。

    風呂の残り湯は、風呂桶にいっぱいで240リットル程度ある。この水を家庭用ポンプを使って水洗トイレに再利用すると、3人がトイレで使用する150リットルの水をまかなってもまだ、90リットル余る事になる訳だ。さらにこれを洗濯用に再利用すれば、水道水からは30リットル注水するだけで洗濯用の水がまかなえるのだ。

    さらに洗濯機を欧米で主流のドラム式に替えれば、洗濯に必要な水は5分の1から6分の1ですむ。日本の噴流式洗濯機では綿布1キログラムに対し、25~30リットルの水が必要とされるが、ドラム式では5リットルの水ですんでしまう。

    風呂の残り湯で3人家族の洗濯とトイレの両方がまかなえることになる。一件〔三人〕で使用する水は、通常600リットルといったが、風呂の残り湯をトイレと洗濯に使い、洗濯機をドラム式に替えることで180リットルの水が節約できるのだ。

  2. 洗剤の使用量 
    1人1日当りの洗剤使用量は合成洗剤が36.8グラム、石けんが4.5グラム、三人家族では合成洗剤110.4グラム、石けん13.5グラムになる。これだけの量の洗剤が毎日排出され水を汚染しているのだ。中でも洗濯の洗剤は多量となる。

    これもドラム式洗濯機の利用で3分の1から5分の1に減らすことができる。噴流式の洗濯機では、コンパクト型洗剤の標準使用量は1回分25グラムとされているが、ドラム式の場合8グラムで十分である。またドラム型は低発泡性の石けんに適しているため、合成洗剤を使用しなくてもすむ。石けんを使用すると石けんかすが出て嫌だ、という人は石けんカス分散剤(LSDA)の入っている複合石けんを使用すればいい。

    このような工夫で、家庭での洗剤使用量を半分から3分の1に減らし、また石けんを使用することで合成洗剤の使用をごくわずかな量にすることができる。また、台所用洗剤の使用量を減らすには、たとえば「和布」で食器を拭き、野菜、果物には洗剤を使用しないことで、台所用洗剤は使わなくてもすむ。

  3. 廃油 
    植物油は台所から絶対捨てないことが大切である。油には下水処理場、個別浄化槽の働きを極度に傷めるだけでなく、高層住宅の配水管をつまらせる。食用油は使用後、きちんとろ過紙、遮光保存し、指し油をすることで残らず使いきることが出きる。
  4. 野菜クズ 
    台所からの排水で次に問題なのが野菜クズなどの固形物の排出である。これは三角コーナーや排水溝の中にある水切りにストッキングの切れ端などをかぶせておくだけでほとんどの物を取り除くことができる。

この他にも家庭排水をきれいにする工夫がいろいろとあるが、こうした工夫を心掛けるだけで、都市下水道、集合住宅などの集合汚水処理槽の下水処理能力は2~3倍に向上するそうだ。

さらに合成洗剤に代わって石けんの使用割合が増加すると処理能力はさらに向上する。個別浄化槽はし尿だけの単独処理よりも合併処理層の方が処理能力が良く、洗剤節減、油を流さない、台所排水の大きな汚れ除去で処理能力は抜群に向上する。住民運動としても個別浄化槽を自治体で単位で普及すると効果は抜群であると思う。


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