川の浄化を考える
第3章 海に囲まれている日本
1)豊富な水産資源と恵まれた降水量。森林がプランクトンをつくり漁業を育てる 四方を海に囲まれている日本は、昔から良質な水を手に入れることが出来、また豊富な水産資源に恵まれていることから漁業が栄え、日本人は魚や海草、貝類など、豊富なミネラルを含む海の幸を食してきた。日本には黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)など潮の流れがぶつかり合う好条件の漁場がいくつもあり、そこはプランクトンにも恵まれ、潮流に沿って様々な種類の魚が集まってくる。 狭い国土のわりに標高の高い山岳地帯があること(川が急流)、比較的土壌が新しいこと、森林も多く、また年間を通じて充分な降水量もあるため、人々は生活に必要な水を比較的容易に確保することができる。水質はこのような地の利を生かし、世界でもトップクラスの良質な水であった。 2)世界に誇れる日本食 私はかねてから、日本が世界に誇れるものは「日本食」であると言ってきた。 日本人の平均寿命が世界一であることは、医学の進歩を挙げるより日本人が大昔から食してきた日本食、つまり毎日の食生活にこそ大きな要因があると信じている。 健康を作るのは医学でも薬剤でもなく「食」である。 なぜなら、仮に医学の進歩が健康を作るものであるのなら、欧米諸国のほうがもっと長寿であって然るべきだ。 日本人は昔から海草や魚介類といった豊富な海産物を身近に入手することができ、からだに必要な良質の水が簡単に手に入った。米を主食としてきたのも稲作に有利な水の利があったからこそだ。 そう言う意味で、日本人は健康を手に入れる絶好の環境に恵まれていたのである。 ところが戦後、日本人は何でもアメリカの合理性を真似、合成化学から遺伝子組替え、さらには私たちがもっとも誇れる食文化にまで彼らの文化を模倣してきたのである。 特に昨今の若者に於いては、かつての日本食文化は崩れつつあり、ハンバーガーなどの合理性食品や缶詰、インスタント類などを常時、食するようになってしまった。 3)日本人こそが水の大切さを提唱する世界のリーダーになるべきだ 私は日本人こそ世界で最も水の恩恵を受けてきた国民といっても過言ではないだろうか。良質な水の循環こそが、森を作り、漁場を活気づけ、農業の発展を促し、人々を健康にしてきたのである。このことを身をもって経験しているのだから、もう一度基本に戻って、日本人こそ「水の循環」の重要性を世界に提唱していくべきではないだろうか。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |