川の浄化を考える
第32章 竹を見直そう!
かつて竹は私たち日本人の生活のあらゆる場面で使われるありふれた素材であった。竹かんむりの漢字を思い出してみてください。 筆・箸・箱・籠・簾・笛・竿、、、。 ところが竹の利用が急速に無くなった理由としては、いくつかの要因があり、それらが複合的に重なって日本の竹産業は衰退していったのである。近年、竹林の荒廃や他の生態系への影響など、極めて深刻な状況に直面しているのである。 竹の利用が無くなった主な要因は、プラスティックなどの代替品の登場と、農業で稲干しに使っていた竹が機械化によって不要になってきたことが挙げられる。 また、漁業で使われていた道具も他の素材によって変わったこと、籠などの生活用品や道具は手作業のため、後継者が育ちにくいということなどが挙げられる。 林野庁林産課の統計資料によれば、竹林面積は1988年に93341.9ヘクタールあった規模から、1997年には60545.3ヘクタールへとわずか10年間で30%も減少している現状だ。竹産業の衰退と同時に、一方で代替品であるプラスティックの飛躍的普及は、現代その処分方法に問題点が多く、ダイオキシンの発生など環境悪化のやり玉にあがっている。 竹は繁殖力が旺盛で、時には1日に1メートル以上も伸びることがあり、約1年足らずで他の樹木を越えるほどの大きさに成長する。伐採しても次々と新たに成長する竹は、環境保全用資材としても期待されている。私たちの生活に役立つ竹炭をもっともっと利用して、竹産業の復活と、究極的には地球環境保全のために大いに役立てていきたいものである。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |