川の浄化を考える
第27章 今自分にできることを
◆個人の責任として、これからは両方が必要 人類は地球というたった一つの宇宙船に乗り合わせた運命共同体という意識を持つべきである。特に環境や資源といった問題には国境などの壁を取り去って、人類が共同協力の精神のもとに助け合わなくてはならないのである。 環境に悪いものは撤廃、或いは少なくとも自粛し、環境に良いものが自然な形で普及されるような社会を作らなければならないと思う。残念ながらまだまだ日本では、良いものはコストが高くつくからという理由で、安価で環境に悪い商品のほうが逆に自然淘汰してしまうという例も多い。 企業は、まるで流行り言葉のように「地球にやさしい」とか「環境」といった通り一遍の宣伝文句を繰り返し、消費者もただただ条件反射的に購入するのでなく、なぜ?どこが?といった疑問を常に持ち、賢く商品選びをしてもらいたいものである。 消費者の多くは環境にいいものを使いたいと思っている。しかしながら、自分一人くらいの購入によって社会が変わるとも環境が良くなるとも思ってはいないのではないだろうか?でもそれは違うと思う。一人一人の価値判断が大きな社会の変化に影響を与える時期が必ず到来すると思う。その商品を扱う企業の存続にも、そして業界にも影響はあるはずなのだ。 「環境や地球にやさしい」商品は確かに消費者によって支持され始めてきた。しかしながら、それはまだ「気休め」だったり、「環境に悪いものよりもいいんじゃないか」という程度の「傍観者的な」感覚であるように思う。もっと積極的に環境を変えていこうというような商品や活動に、自ら参加して「傍観者」から環境改善の中心人物になって欲しいと思う。だって、主導権を握っているのはあなた自身なのであるから、、、。 「これから人類にとって、取り組まなければならない問題はたくさんあるが、私は特に「水」についてできることがないかを模索してきた。 ◆水について 水は人々の生活に欠かせない最も重要な資源である。それはたとえ生物を作る元素がどれだけ豊かにあっても、そこに水が無かったとしたら、そこには一切の生命体はあり得ないということを意味する。 にもかかわらず、文明社会が進むに連れて私たちは水の大切さを見失いかけていたのではないか。ならば私たちは水に目を向けることで、生命を脅かす病気の根源も見極めることができるだろう。 それはまた、生物の満ちる星である地球環境の保全にも繋がるのである。私たちはなるべく良質の水を手に入れたい。良質な水は腸内細菌を活性化させ健康を作ることができる。特に合成化学物質の氾濫する今日の社会において、これからの健康の鍵は「解毒」と私は考えている。 つまり良質の水をたくさん取ることで解毒を促進させ、毒素をからだに溜め込まないように生活することが重要である。そして、良い水を飲む人は、良い水を作るために生活排水の汚れについてできるだけ注意して生活することが求められるだろう。 良い水は飲むけれど、環境に良くないものを垂れ流しにしてしまう、飲むことは「金を出しているのだから」棄てるのは自分の勝手とか自由、などと主張するようなことでは国際人として失格である。水は巡っているのである。いずれ自分のところに帰ってくるのである。いや、たとえ自分のところに帰らなくても、世界のどこかに帰ってくるのだから、そこの地域の人たちが安心してその水を飲めるように、できるだけ水質浄化に負荷をかけないような汚水として排出しておこうではないか。 これからは良い水を飲むことと、家庭排水を汚さないこととの両方を実践していかなくてはならないだろう。これは厚生行政の貧困だ!とか水道局の怠慢だ!洗剤メーカーの責任だ!と叫ぶ前に、私たち1人1人が胸に手を当てて冷静に考え直して、今、自分ができることを実行するべきである。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |