竹は日本・中国・朝鮮半島などアジア各地のほか、アフリカや南アメリカでも生育する植物です。わが国ではモウソウチク(孟宗竹)とマダケ(真竹)で全体の八割を占めています。用材としての生産の主力はモウソウチクです。 竹炭の材料にはモウソウチク・マダケ・ハチク・それにネマガリダケ(根曲がり竹=千島笹)が用いられています。 モウソウチクは「江南竹」とも呼ばれ、その名とおり、中国の揚子江下流の江南地方から伝えられた品種です。モウソウチクは北海道を北限に鹿児島・宮崎・和歌山などの各地で栽培されています。日本ではもっとも大きく成長する品種で、棹の高さは10~20メートル、直径は8~20センチと太く、肉厚も約1.5センチで、日本産の竹類の中ではもっとも重厚な品種です。節の環は一重で、節間は比較的短く、竹の皮は紫褐色で斑紋がでてやわらかい毛が一面についているので、「毛竹」とも呼ばれています。材質はマダケに比べるともろく、弾力性に欠け、割れやすいので、加工性に難があるといわれています。炭材のほか、花器・筆筒・工芸品・建築装飾材・家具材・器具材・パルプ材などに用いられています。 マダケは中国原産で、現地では「剛竹」「光竹」と呼ばれています。日本でも自生していたといわれ、山口・大分・京都・福岡など、国内で栽培面積も広く、竹林総面積の約六割を占めています。棹の高さは10~20メートル、直径5~15センチ、節の環は二重で、節間は20~45センチにもなり、片側に溝があります。肉厚は約1センチ。モウソウチクより薄いが、材質は強靭で、棹の表皮は光沢が強く、曲げやすく、加工が容易です。炭材のほか、丸竹または割竹として建築装飾材・工芸品・家具材(スダレなど)・器具材(籠など)・スポーツ用品(竹刀・弓)・玩具などに用いられています。皮がしなやかで、むかしから物を包むのに使われてきたほか、版画のバレンにも好適とされています。 ハチク(淡竹)は各地で栽培され、温暖な地方の山地では野生化しています。棹の高さは10~15メートル、直径3~10センチ、節の環は二重で、節間は10~45センチで節の隆起が少ないのが特徴です。ハチクは寒さに強く、棹や枝葉の形が美しく、光沢があり、和風建築や庭園の観賞用に用いられます。丸竹または細割りにした物を編んで建築装飾材・工芸材・器具材のほか、尺八・釣竿などにも用いられています。「源氏物語」や「徒然草」などに詠まれている呉竹はハチクの呼称です。 ネマガリダケ(根曲がり竹)は「千島笹」の別名です。樺太(現在のサハリン)・千島列島・北海道・本州の高地など寒冷地に限定して棲息しています。棹の高さは1.5~3メートル、直径2センチで節間は短く、節にやや隆起が見られます。笹類の中ではもっとも丈夫で、ザルを編んだり、竹細工にも使われます。 ネマガリダケは、一般の竹炭に比べ、炭化方法が難しく、通常の竹炭用の窯では製造が難しい。しかしながら根曲がり竹を炭化したものは、なんと備長炭の7倍以上の吸着力があるといわれ、他の木炭・竹炭の中では最も高い吸着効果があるといわれている。この吸着効果を利用した製品開発など、各方面から期待が寄せられている。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |