合成洗剤の表示では、成分欄に「界面活性剤30%」という言葉があります。また、石けんの表示では、「合成界面活性剤を使用していません」などと書いてあることがあります。この「界面」とは何のことでしょうか? ウィスキーや焼酎などのアルコールに、水を入れるときれいに混ざりますが、油を入れると混じり合わず、油が上、アルコールが下と、上下に分かれてしまいます。 この二つの物質の境目を「界面」といいます。液体―液体だけでなく、気体-液体、気体-固体、液体-固体にもそれぞれ界面があります。この界面に働きかけて、「界面張力」(界面をできるだけ縮めようとする力)を低下させる物質を「界面活性剤」と呼びます。 たとえば水と油の界面には、「界面張力」が働き、二つの物質は混じりあいませんが、界面活性剤(石けんや合成洗剤)を入れるとこの界面張力が低下し、水と油が混じり合うようになります。衣服や食器についた油汚れが、物の表面からはがれて水と混じり合えば、水と一緒に流してしまえます。 界面活性剤には、界面活性作用のほかに、乳化、起泡、浸透作用など強い物質があり、このような作用の強い作用があります。このような界面活性剤が洗浄剤として活用されています。 界面活性剤は、いわば仲の悪い友人の間にたつ、両方の気持ちがわかる人のような存在で、二人の仲をつなぎとめ、いっしょにさせてしまう働きをします。 石けんは界面活性剤として5000年も前から使用されており、安全性も高いのですが、使われ始めてまだ60年ほどの合成界面活性剤は安全性に問題があるという指摘が絶えません。 前へ 次へ | 川の浄化に関する活動について 生活アートクラブは川の浄化をまじめに考えます 第1章 水と人間の関わり 第2章 水の大循環 第3章 海に囲まれている日本 第4章 水道水の浄化処理方法 第5章 日本の下水道について 第6章 下水道ものしり事典 第7章 最近の台所用合成洗剤 第8章 生活排水を汚す原因 第9章 環境への思いやり 第10章 洗剤による水汚染について 第11章 河川の水質汚濁防止方法 第12章 排水に関する法規制 第13章 生活に川をとりもどすために 第14章 川に流される大量の合成洗剤 第15章 危険な合成洗剤 第16章 台所用合成洗剤のゆくえ 第17章 合成洗剤や石けんの残留 第18章 石けんは環境や体にやさしい 第19章 界面活性剤の役割 第20章 化粧品に含まれる指定成分 第21章 合成洗剤についてのQ&A 第22章 竹が環境浄化に役立つ理由 第23章 美女の肌を守りつづけた炭 第24章 炭の浄化力 第25章 竹炭の材料になる竹の種類 第26章 竹炭の特徴について 第27章 今自分にできることを 第28章 地球はちょっと疲れてる 第29章 HPを立ち上げるきっかけ 第30章 愛 第31章 魚と合成洗剤 第32章 竹を見直そう! カンボジアの井戸掘り事業 |