代表 富士村夏樹 講演録
■森林育成編 15. 先人たちの知恵
そして私はこの台所用の石けんに配合したというわけです。なぜこれに配合したのかといいますと、昔、洗剤のなかった頃、お洗濯は何でしていたか、どなたかご存知の方はいらっしゃるでしょうか。今、あちらでお声がありましたね。そうですね。木灰、つまり灰でお洗濯をしていたんです。 灰というのはアルカリ分が高いので、洗浄効果があるんです。そういう昔の先人たちの知恵を今の若い人にも伝え継承していきたい、というのも生活アートクラブのコンセプトなんです。 この灰の粉とも言うべき笹の炭を石けんに入れることで洗浄力が非常に高まります。特に油汚れを吸着するので汚れ落ちがいいんですね。また炭の効果で水の分子が小さくなるようで、したがって泡立ちがよくなります。 そして最後の私の目論見、といっては何ですが、お皿を洗った後、廃水と一緒に炭の粉が流れていきます。そして私たちの手の届かない、掃除の出来ない下水道管の中に炭の粉が流れていくことにより、廃水中に含まれる汚染物質をきれいにしてくれるという作用が伴うのです。 それが下水道処理センターまでの長い道のりの中で、少しでも水をきれいにするためのサポートができれば・・そんな思いからリカバリーが誕生したわけです。 でも私は素人ですから、川をきれいにするといっても、実際のところはどうなのか、例えば、炭を流すことはかえってゴミを流しているのではないのか、とか、炭が水の中に浮遊するだけで底のほうに溜まった汚染物質は全然きれいにはならないじゃないか、そんな疑問があってもいけませんので、東京大学の名誉教授でもある谷田貝先生にもお目にかかって相談したわけです。 前へ 次へ |
環境にやさしいを超えた活動こそ、今…。 -川や森や大地が蘇る- ■水環境編 1. 健康と生活排水のつながり 2. きれいな水を作る洗剤誕生 3. 水の流れがわかるポスター 4. 水も飲めない子どもたち 5. 生活を楽しくアートしよう 6. 水の汚れの原因は? 7. 川や海を汚さないように 8. ゴミをなくすものづくり ■森林育成編 9. 天然の抗生物質青森ヒバ 10. 洗剤にヒバの能力を 11. 竹炭は地球を救う 12. 竹を活用した古来の叡智 13. 偉大な生命力をもつ「竹」 14. 備長炭の八倍の効果 15. 先人たちの知恵 16. ユニークな洗剤を広める 17. せっけんよりも安全 18. 環境にやさしいを超えた活動 19. 環境保全と福祉が一体となる 20. 廃油回収、井戸の寄付 21. 植物の浄化作用を雑貨に 22. 竹タオルの抗菌効果 23. 職人の技 24. 木のぬくもりとあたたかさ 25. かびが生えないヒバまな板 26. 伝統技術の継承 ■土壌改良編 27. 農薬を使わない防虫スプレー 28. 天然防虫スプレー誕生 29. シロアリ駆除に使われる農薬 30. 床下に使用される大量の農薬 31. 5000社もあるシロアリ業者 32. シックハウスと近代住宅 33. 青森ヒバでシロアリ防除 34. 住宅の健康診断 35. シロアリと阪神大震災 36. シロアリはゴキブリ科 37. 消費者が流通を変える 38. 害虫駆除業の閉鎖性 39. 生産者と消費者の橋渡し |