■土壌改良編 38. 害虫駆除業の閉鎖性

25年前をちょっと思い起こしてください。当時A、B、Cさんという農家が3件並んでいました。当時、Bさんが、真っ先に「農薬を使わない、健康な土壌で有機野菜を作りたい」ということを宣言したんですね。

そうしたら、AさんとCさんに散々とっちめられたという話があります。もし、農薬を使わないで、害虫が自分のところの作物に被害を与えたらどうしてくれるんだ!ということですね。恐らくご近所の農家だけでなく、農薬を販売していた農協にも冷たい視線を浴びていたことでしょう。

でも、今日になってみればどうでしょう。有機無農薬野菜はしっかりと認められた社会的地位を得ています。住宅業界も遅ればせながら今、変化しつつあるようです。

いずれにしても新しい取り組みをする時には同業者をはじめ、周囲の反発や様々な障壁を乗り越えなくてはなりません。

害虫駆除業も同様です。農薬を使用しないことへ転向して丸5年経過した武田コーポレーションも、今年いっぱいで、シロアリ工事に於ける100%ノンケミカル転換を達成することになります。化学薬剤を使用しない業界のパイオニアとして、ますますお客様からの需要は出てきています。

農薬を使用しない農産物を提唱する仲間、川の浄化やせっけん運動の仲間、害虫駆除業の仲間もまた、土壌の再生という共通のテーマをもった宇宙船地球号の乗組員ではないでしょうか。

私たちは日々の活動に於いて、消費者に確かなメッセージを伝えることができるよう、情報提供していくことがとても大切なことと考えています。

ちなみに、害虫駆除業界大手各社の昨年の減収率は新聞紙上で軒並み約35%以上のダウン。
消費者は日々勉強しているのです。

今日のお話は「環境にやさしい、、を超えた活動こそ、今」としています。環境にやさしいでは手遅れである、というのは言い過ぎかもしれませんが、これこそが私たちのポリシーでもあります。

環境に負荷をかけないことよりも、環境を育成することをテーマとして今年も積極的に商材集めや講演活動をしていこうと思っています。

特別な環境運動やボランティア活動には頭が下がりますが、共働きや子育てなど、参加したくても時間がない時代、もっと横着に、あたりまえに、製品を使うことで環境を育てることができる消費者参加型製品の提案ができたらと、考えています。


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環境にやさしいを超えた活動こそ、今…。 -川や森や大地が蘇る-
■水環境編
1. 健康と生活排水のつながり
2. きれいな水を作る洗剤誕生
3. 水の流れがわかるポスター
4. 水も飲めない子どもたち
5. 生活を楽しくアートしよう
6. 水の汚れの原因は?
7. 川や海を汚さないように
8. ゴミをなくすものづくり
■森林育成編
9. 天然の抗生物質青森ヒバ
10. 洗剤にヒバの能力を
11. 竹炭は地球を救う
12. 竹を活用した古来の叡智
13. 偉大な生命力をもつ「竹」
14. 備長炭の八倍の効果
15. 先人たちの知恵
16. ユニークな洗剤を広める
17. せっけんよりも安全
18. 環境にやさしいを超えた活動
19. 環境保全と福祉が一体となる
20. 廃油回収、井戸の寄付
21. 植物の浄化作用を雑貨に
22. 竹タオルの抗菌効果
23. 職人の技
24. 木のぬくもりとあたたかさ
25. かびが生えないヒバまな板
26. 伝統技術の継承
■土壌改良編
27. 農薬を使わない防虫スプレー
28. 天然防虫スプレー誕生
29. シロアリ駆除に使われる農薬
30. 床下に使用される大量の農薬
31. 5000社もあるシロアリ業者
32. シックハウスと近代住宅
33. 青森ヒバでシロアリ防除
34. 住宅の健康診断
35. シロアリと阪神大震災
36. シロアリはゴキブリ科
37. 消費者が流通を変える
38. 害虫駆除業の閉鎖性
39. 生産者と消費者の橋渡し