■土壌改良編 35. シロアリと阪神大震災

阪神大震災の時に約6000人の方達が命を落としました。その中で、約8割の方が倒壊した家屋の下敷きになったそうです。強い地震に耐えられなかった多くの家は、柱がシロアリの被害に遭っていたり、腐れがあったためと調査報告されています。

普段点検できない場所ですから、次第に進行していたんでしょうね。やはり、住宅の基礎や柱である床下は、人間で言えば足腰ですから、最も気を使わなくてはなりません。そういう意味でも、信頼のおける業者に点検を依頼しておくべきです。

ところが、方々でお話を聞くと、シロアリ業者というのは訪問販売であっちこっち営業に歩いているんですね。中にはローラー営業と称して、4~5人でまとまって訪問することもあるようです。

玄関先で応対するというより、「怖い」というのが、まず先に来るようです。かと言って、タウンページや広告チラシでお願いしたら、アルバイト風のお兄さんがやって来たり、1ヶ月で電話さえ繋がらなくなったとか、大阪あたりでは近所の「おっちゃん」が自転車でやってきて、ものの1分程度で点検が終わり、なんてことも少なくないそうです。

以前はシロアリをポケットから出してきて、「こんなものが居たから早く駆除しておいたほうが良いよ」なんてことをやる業者もあったそうです。

そういう中で、今、消費者も本当に困ってもどこに頼んだら良いか、わからなくなっているのでしょう。先日もある関西にお住まいの方から、何となくシロアリが気になるから、ということで調査したところ、2階部分のハツリにまでシロアリに食べられていたお宅があったんですね。

「どうしてここまでほっておいたんですか」とお尋ねしたところ、どこに頼んだら良いか、わからなかったとのことで、結局は点検する機会を失っていただけのことだったんです。その方からはすぐに駆除して欲しい、と言われたんですが、そこまで被害が大きいと家を建て直す以外ない、とお答えしたそうです。


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35. シロアリと阪神大震災
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38. 害虫駆除業の閉鎖性
39. 生産者と消費者の橋渡し