どこにでもある木なんですがとにかく成長力のある木です。実はこの頃、ちょうど私は木炭や竹炭などの「炭」に興味を持っていたので、この笹を炭にしてみたらどうか、ということで焼いてもらいましたところ、こんな細い炭になるんです。（太さ約1センチの炭をお見せする）

今この炭は実際に北海道で土窯で約3週間かけて焼き上げた大変いい炭で、私の独自の調査によれば、昔宮内庁にも高級笹炭として献上されたことがあるようです。

話がちょっとだけ逸れてしまうのですが、実際、千島笹は現地に詳しい炭焼職人が山に入って伐採するんです。これがとても大変な作業なんです。六月上旬までは雪があって全く山に入れません。そしてせいぜい10月頭まででしょう。

その間に伐採して半年近く乾燥させて炭にします。山に入るわけですが、いや、笑ってしまうほど大変なんです。まず、山に詳しくなければ遭難してしまいます。車とかは入れませんからね。歩いて山を登ります。笹は背丈が高いですから回りの景色は頼りになりませんから。

しかも熊がいます。昨年は特に熊が多く出まして、北海道では大変だったんです。伐採しているおじさんも、もし道がわからなくなったら帰り道は熊にしか聞くことができないんです。（笑）そんな笑い話、本人は真剣ですから笑うわけにはいきません。実際、生命保険をかけて山に入っていると聞いています。