こうして直すシックハウス

シックハウス症候群って何? 原因と症状 ■こうして直すシックハウス 
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こうして直すシックハウス 
ダニ・カビ対策からエコ・リフォームまで

戦後、日本は欧米の建築をまねて「高気密」「高断熱」の家を作ってきました。高断熱の家は省エネの観点からも歓迎できるものです。しかし、日本はアジアの温帯モンスーン地域、欧米と違って湿気が多いため、高気密で密閉された家の中には湿気がこもり、シロアリ、ダニ、カビが発生してしまいます。その害虫を予防するために、殺虫剤などの有毒化学物質を大量に使うこともシックハウスの原因になります。

■ダニ対策

ダニは、アレルギー原因のTOPと言われています。生きたダニはもちろん、死骸や卵、糞を吸い込むことで、アトピー性皮膚炎などを引き起こします。ダニは家の中の様々な所に、室温25〜30℃、湿度70〜80%以上で生息し、繁殖力も非常に高い生物です。ちなみに湿度が50%以下になればダニは死んでしまいます。

ダニの繁殖条件としては、エサがある、高温多湿、隠れる場所があるがあげられます。

ダニが生活するために必要な条件は、カビの発生条件とかなり重なります。また、ダニの中にはカビをエサとする種類もあるため、カビが発生しやすい場所はダニにとっても絶好の環境になっていると言えます。

家の中からダニを完全になくす事はほぼ不可能といえますが、一定数以上に増えないようにすれば、ダニによる被害は抑えることができます。ダニの生活条件はカビと共通点が多いので、カビ対策を施すことでダニ対策にもなると考えることができます。

  1. 寝具、じゅうたん以外にも、可能なものは天日干しする
  2. 室内で飼うペットはできれば避ける
  3. 床材をじゅうたん・カーペットから板材にする
  4. カビの発生を抑制する

■カビ対策
皆さんもご存知のように、カビは生活するうえで多大な恩恵を与えてくれています。しかしながら、アレルギーの原因となるなど、様々な害も与えます。カビの増加はそれを好むダニの発生を促しますので、カビをできるだけ発生させないことが、室内環境の悪化を抑制する上でとても重要になります。

カビは 1.栄養分 2.酸素 3.温度 4.湿度 の条件が揃えば、どんな家でも自然に発生します。ただ、最近の住宅は非常に気密性が高く、ライフスタイルの変化による換気不足が重なり、「結露」が発生しやすく、その「結露」がカビの温床になっているケースが増えているようです。

  1. 栄養分… …畳や、畳の上に落ちているチリなどもカビの栄養源となります。また、畳以外にも有機性の建材であればカビの栄養源となります。
  2. 酸素…… 他の生物とおなじように、カビも生長するために酸素を必要とします。
  3. 温度…… カビの生長の適温は摂氏25〜30度付近ですが、カビの種類によっては0度以下や40度以上でも生長が可能です。
  4. 湿度…… 湿度がだいたい70%を超えると、カビが生長しやすい環境になります。また、湿度が高くなるほど生長できるカビの種類が増えカビの生長速度も速くなります。

ふろ場、台所、洗面所、押し入れなど、通気性が悪く、湿度の高い所。エアコンのフィルター部分などにもカビは発生します。カビが発生したエアコンをつけると、家中にカビをばらまいてしまっているようなものと言えます。

カビの繁殖をおさえるには、上記の条件が揃わないようにしてやる必要があります。このうち、栄養分・酸素・温度についてはコントロールするのが難しいのが現状です。そこで、湿度をコントロールすることがカビの発生を抑えるのに有効と言えます。

■湿気レベルを下げる
湿気をあるレベル以下に下げるとカビは生えなくなります。カビが減ればそれをエサにするダニ、シロアリも激減します。そして、湿度を60%以下に保つ工夫をすればダニは繁殖できずに全滅してしまいます。また、木材の「含水率」を20%以下に抑えておけば、シロアリ、腐敗菌が発生しにくくなります。害虫発生をコントロールするには、いかに湿気を調節するかが大切です。

また、住宅の基礎工事にも問題があります。法隆寺宮大工棟梁の西岡常一さんは、その著書で、木が縦にあると水が縦に動くので乾きやすいが、横にしてあると乾かない。また、コンクリートは水分をどっさり含んでいる、その上に木を横に置くからすぐに土台が腐ってしまい、虫がわく。コンクリートで基礎工事をするのではなく、床下は土をつき固めておく。そして、柱石(礎石)の上に柱を直接立てるという在来工法の利点を説かれています。


■短すぎる日本の住宅耐久年数
世界の住宅の耐久年数を見てみると、イギリス141年、アメリカ103年、フランス86年、ドイツ79年・・・それに比べると日本はたったの26年です。

これは、自然破壊、資源の枯渇、ゴミの山にもつながります。産業廃棄物の7割以上が建築廃材なのです。湿気の多い日本の木造建築でも外国に負けない耐久年数の家は作れます。民家の中には200年、300年と続く家もありますし、日本各地のお寺や神社の中には、世界最古の木造建築、法隆寺のように1000年を越す建物もあるのです。日本が世界に誇る木造建築の技を復活させましょう。

■鉄筋コンクリート住宅に住む人は寿命が短い
例えば、鉄筋コンクリート校舎と木造校舎を比べると、木造の方は温度、湿度ともに安定していますが、コンクリートの方は温度10℃以下の時間帯が多い上に湿気も多く、底冷えのするジメッとした状態であるという実験結果が出ています。

学校の先生や生徒を対象にしたアンケートでも、鉄筋コンクリート校舎は木造校舎に比べて、疲れたりイライラすると答える割合が多くなっています。確かに、鉄筋コンクリートの建物に比べて木材の建物の中に入るとほっとするような安らぎを感じます。湿度、温度が安定していることに加えて、見た目や手触りもやわらかく、気持ちが落ち着きます。鉄筋コンクリート住宅に住む人は木造住宅に住む人より寿命が9年も短いという報告もあるのです。

また、コンクリート建材にはラドンという問題もあります。ラドンは放射線を発生する気体で発がん性があり、アメリカではタバコに次ぐ肺がんの2番目の原因物質として環境団体などが注意を呼びかけているそうです。ラドンは地表や床下の土などから発生しますが、コンクリート建材からも揮発することがわかっています。

■有害物質にあふれている現在の建築物。 エコリフォームを考えましょう。
このように、現在の建築は有害物質であふれており、いつ、誰がシックハウス症候群になってもおかしくありません。それを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。木材など安心できる建材を使って家を立て直すことが一番ですが、それが無理でも、賃貸でもできるエコ・リフォームや安価な改善策もあります。今日、できることから始めて、少しでも体に取り込む化学物質を減らしましょう。

■エコ・リフォームのポイントをいくつか挙げてみます。

1. 壁と床は木装にする
鉄筋コンクリートのマンションでも、内装を自然木にすればイオン・バランスが回復し、鉄やコンクリートの害も緩和されます。接着剤たっぷりの塩化ビニールクロス(壁紙)をはがし、厚さ1cmのスギ板にしてみましょう。国産間伐材は極めて安価です。床には、木装以外ではコルクタイルや天然リノリウムも伝統的で安全な床材として注目されています。暖かい、歩きやすいなどのメリットがあります。
2. 天然素材で壁仕上げ
昔ながらのしっくいや珪藻土などの塗り壁が注目されています。いずれも梅雨時などは湿気を取り込み冬の乾燥したときには水分を放出するなど調湿作用に優れ、カビなどを防ぎます。

3. 床下、天井裏に調湿炭
炭の素晴らしい調湿作用で、きわめて安全かつ安価にシロアリ、カビ、ダニなどを予防できます。発生したシロアリ駆除にも木酢液、竹酢液、ヒバ油などの散布で対応できます。木炭にはダイオキシンなどの有害物質を分解する作用や、電磁波を遮蔽する作用もあり、エコ・リフォームには欠かせない素材です。家を建て替えるときに出る木質廃材を炭にして新しい住まいに活用すれば、ゴミを減らすことにもつながります。

4.障子とふすまの復活
断熱、調湿に優れ、空気の流れをつくります。
5.毒入り畳と決別を
ほとんどの畳には内部の防虫シートに有害な有機リン系農薬をしみこませてあります。その濃度は水田散布許要量の20〜30倍にもなります。内部に炭を使い、湿気対策をした畳も開発されています。
6. カーテン、絨毯も天然素材で
ウール、絹、木綿などの天然繊維で統一してみましょう。喘息、アトピーなどの改善も期待できます。
7. 塗料も自然系で
ペンキ、ニス、ラッカー類には中枢神経を麻痺させる有機溶剤が含まれます。なめても安全な蜜ろうワックスなどは仕上がりがきれいでおすすめです。日本の伝統的な塗料の柿渋は時が経つほどに自然な風合いに変わっていきます。

8. 屋根に一工夫
伝統的な日本家屋に使われる瓦は、田んぼの土などを原料に焼くエコロジカルな建築素材です。夏の日差しからの熱を防いでくれるなど断熱効果も高いです。

また、屋上緑化という方法もあります。つまり、屋上に草花を植え、緑で覆うのです。降った雨を吸水して集中豪雨の際の鉄砲水などを防いだり、緑化により咲き乱れる草花、植物が大気中の汚染物質を吸収して分解、無害化するため、大気浄化作用もあります。

都市部の騒音やヒートアイランド現象をやわらげる効果もあります。直射日光の紫外線から屋根を守るため、建物全体の寿命がのびる他、断熱効果もあり、冷暖房費用の節約になります。屋上緑化のメリットは数多くあり、小中学校や幼稚園、病院、公共施設の屋上から緑化してほしいものです。

9. 自然からの恵みを生かす
太陽光発電も手の届く価格になってきました。太陽エネルギー以外でも、農村や山国では水力発電、風の強い地域では風力発電で電気を起こせます。酪農地帯ではメタン発電も効率が良いです。このような小規模発電では送電時の電力ロスも防げますし、発電時の熱も給湯に利用すれば省エネ効果はさらに高まります。危険を伴う原発で発電しなくても、自然エネルギーの利用により、現在消費している総エネルギーの半分以上をまかなえるという計算も出ています。

雨水利用の導入も緊急課題のひとつです。日本人は一人辺り平均で、一日約240リットルもの水を消費していますが、炊事に使う約55リットル以外の4分の3は掃除、洗濯、トイレの流し水など、雨水でまかなえます。小規模の雨水利用でも都市全体から見れば大変な量になり、都市の真ん中に巨大ダムが出現したようなものです。

欧米のエコロジカル建築では家庭から出る生ごみだけでなく、排泄物も堆肥化して土に返すそうです。自然からの恵みを最大限に生かすこの精神を見習いたいものです。

10.電磁波対策も忘れず
屋内の配電線は強い有毒電磁波を出しています。配線ケーブルはできるだけ1つにまとめ、居住空間より遠い天井などを這わせるようにしましょう。

家中をすべて完璧にリフォームすれば費用もかかりますが、中には安価ですぐにでも始められるものもあります。優先順位を決めてあせらずに1つ1つ直していきましょう。専門家に相談したり、参考になる本を読んだりするのもいいですね。

■シックハウス対策には換気も大事
簡単にできることですが、シックハウスには「換気」も大切です。家の中を閉め切ったままだと、壁紙や畳などから揮発する有毒ガスで室内の汚染濃度がどんどん高くなってしまいますが、換気をすることにより、それをある程度防ぐことができます。また、適度な換気は湿気を防ぎ、木造建築を長持ちさせることにもつながります。手軽な方法ですが、効果は高いといえるでしょう。

また、ポトス、アロエ、菊、ガーベラなどのありふれた観葉植物が、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロルエチレンなど、環境中の代表的な有機ガスを50%以上浄化させる働きがあるという報告もあります。土を使わずに無機質の発泡煉石に植物を植えるハイドロカルチャーという方式では、根に有用微生物を植えつけることで有毒気体の分解機能を高める上に、水の管理が簡単になるそうです。また、土を使わないことで害虫、カビ、においなどの発生を抑えることもできます。この方式はヨーロッパ全土に広まっており、例えばドイツではビル内緑化の80%以上に採用されています。

日本の伝統的な家屋は風通しがよく、木材をふんだんに使った、家自体が呼吸する家でした。家を建て替えるときでも木材、建具、瓦、壁に使っている土までもリサイクルでき、まさに捨てるところのない、土に還る家だったといえます。シックハウスという言葉など存在しなかったことでしょう。

■薬品まみれの我々の住宅
現在、私たちの住む家は自然から離れ、薬品にまみれています。自然素材を使わない、風通しの悪い家に湿気がたまり、湿気によって虫が出てそれを防ぐためにまた薬品を使う。夏場に暑いからと一日中クーラーをつけ、各家庭の室外機からの熱気によってさらに気温が上がる。環境にも私たちの体にも悪いことばかりです。その悪循環から離れて一人一人ができることから始めましょう。

■自然素材の素晴らしさ
自然素材、特に木に目を向けてみると、そのすばらしい力に驚かされます。木材は調湿作用や断熱作用に優れ、リラックス効果もあり、建材にはぴったりのものです。製材所から木切れをもらってきて家のあちこちに置いておくだけで、タンスや室内の虫除けにもなります。木の香り成分である精油には防虫作用があり、特にヒバ精油は少量でもダニの抑制に大きな効果があります。危険な薬品を使わなくても、人間には安全で心地よい香りで害虫を防ぐことができるのです。

化学薬品を使う前に、それが本当に必要なものか、他に方法はないのか考えてみましょう。案外、私たちの身近な自然素材の中に、危険な化学薬品に代わるものがあるかもしれません。床下に炭をまいて虫を防いだり、夏場には玉砂利に打ち水をして涼しくなるよう工夫したり、ちょっとした暮らしの知恵を生活に生かしていきたいものです。日本には、このような気候の土地で暮らしていきやすいようにと時間をかけて受け継がれてきた、ありがたい先人の知恵があります。

すでに食物についてはその土地で取れた季節のものを食するという身土不二の考えが広まっています。建材についても身土不二ならぬ建土不二の精神で国産材を活用していきましょう。

■国産の木材を使うことがシックハウス対策のひとつ
森林資源の豊かな日本、木の産直ネットワークが広がっています。国産の木を使うことが、シックハウス症候群を防ぎ、私たちの健康にも、森林の保護にもつながります。そして、化学薬品に頼らず自然の力を上手に利用していくことが、地球環境をまもることにもつながっていくのです。

国土交通省建築基準法改定の概要について
日本でも大量に使われていたクロルピリホス
その他の有害化学物質


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