防虫剤とネオニコチノイド農薬

農薬や化学物質が主成分の防・殺虫剤、そして新世代の浸透性農薬ネオニコチノイドの脅威


農薬や化学物質が主成分の防・殺虫剤、そして新世代の浸透性農薬ネオニコチノイドの脅威

家庭用殺虫剤の多くが、農薬や農薬の原料となる合成化学物質が主成分であることをご存知の方は多いはずです。
昆虫の神経系を標的に開発される農薬の歴史は、新農薬が絶賛され登場しては、数十年後に危険性が明らかになって使用を規制していく事の繰り返しでした。
1960年代に世界各国で使用されたDDTなどの有機塩素系農薬は、その後危険性が明らかになり、有機リン系農薬に取って代わられました。そして1970年代~80年代には有機リン、カーバメイト、ピレスロイドの3種類の農薬が、世界の殺虫剤市場の8割以上を独占し続けることになります。
有機リン系農薬は神経毒性が指摘されながらも長年使用されてきましたが、2007年、EUに於いて、その毒性評価(ヒトや水生生物への毒性が強いため)人の健康と環境リスクが高いとしてその大部分が使用禁止となりました。

それにとって代わるように新世代の「ネオニコチノイド系農薬(ネオニコ)が進出、世界の殺虫剤の売上高を見ると、現在ネオニコ系農薬が1位になり(シェア24%)、2位がピレスロイド系(同16%)で、有機リン系は3位(14%)となっていますが、日本国内の殺虫剤出荷量は未だに有機リン系の2743トンで1位、カーバメイト系の426トンがそれに次ぎ2位、ネオニコ系農薬は3位の出荷量ですが、最近10年間で3倍に急増しています(反農薬東京グループのまとめ)。
ネオニコ系農薬の特徴は、害虫に対して少ない量で高い殺虫効果を示す「神経毒」(神経伝達を狂わせることで殺虫する=但しヒトと昆虫の神経系の基本は一緒である)であること、効果が長期間にわたって続く「残効性」に優れていること。そして、水に溶けやすく、殺虫成分が根や種子などから作物全体に移行する「浸透性」をもつことです。
洗っても落としきれないと言われる農薬なので、ヒトにも健康被害が及ぶという研究が世界でも多数発表(欧州食品安全機関EFSA等)されています。

植物の表面に付着させるものだった従来の農薬と比較して、ネオニコ系農薬は浸透性が高いので「浸透性農薬」とも言われるのが特徴です。
種処理剤として使用すればその種から育った作物全体に殺虫成分が行き渡ること、稲の苗を育てる育苗箱に使用すれば田植えの後も1~2ヶ月間殺虫効果が続く、など、農薬の散布回数が少なくて済むので「減農薬」登録が出来る、等の裏ワザもあり、また散布するより環境への負荷が少なく見えるなど生産者にとっても使い勝手が良いという背景もあって農水省も農協も推薦しています。
フランスやドイツなど多くのヨーロッパ諸国でヒマワリやナタネ、トウモロコシなどの種子をネオニコチノイドで種子処理した種を撒いた直後に各地でミツバチの大量死が発生しました。
根から吸い上げられた農薬が茎や葉まで浸透し、そして葉から染み出る水滴までも高濃度のネオニコに汚染されていたことがミツバチ大量死の原因であったことを明らかにしています。
2012年、一流科学雑誌「サイエンス」と「ネイチャー」にネオニコチノイド系農薬がミツバチ大量死に起因した論文が掲載され、科学的に決着した経緯があります。
ヨーロッパでは大学の講義でネオニコチノイド系農薬の生態系への影響が論じられています。
2007年の春までに北半球でミツバチが4分の1消え去ったこと、日本でも2003年を皮切りに毎年1億~2億匹とも言われるミツバチが死んでいる事実を私たちは知る必要があります。(NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より抜粋)

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情報を鵜呑みするのではなく先進諸外国の規制の背景を知り自らの判断で疑問があるものは避ける勇気が必要。

いまではネオニコチノイド農薬はほとんどの野菜や果物、お米やお茶、また食物だけではなくダニやゴキブリ、アリを全滅させるための殺虫剤やシロアリ駆除剤、住宅建材、資材(壁紙、フローリング、断熱材など)、ガーデニングなど、私たちの生活全般に使用されるようになってきました。
しかしながら日本では大多数の人たちがまだこの農薬の名前すら知らない現状でもあります。
日本の残留基準は欧米の残留基準より緩いにも関わらず、それを更に大幅な残留基準の緩和案をまとめており、これに対し環境保護団体は案の撤回や許容摂取量の見直しを申し入れている現状です。

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農薬大国ニッポン

日本の作物への残留農薬基準が欧米に比べて何倍も緩やかであることを私たちは知らなければなりません。
日本の基準値は米国と比べて2~10倍、EUと比べると3~300倍も高いのが実情です。
残留基準値が緩やかであることが、複数の野菜や果物を摂取した時の許容量は大丈夫なのかを考える必要があります。

日本の農薬使用量)
日本の農薬使用量

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家庭用防虫・殺虫剤による住宅室内空気の汚染

特に防虫、殺虫剤の揮発成分は、身近な室内空気環境VOC濃度を高める代表格です。
揮発性有機化学物質VOCは、住宅建材以外にもカーテンやじゅうたん、家具、日常生活用品など様々な原因によって室内空気が汚染されています。
トイレの匂い取りや衣類用防虫剤に使用される有機塩素系殺虫剤パラジクロロベンゼン。
住宅内での使用量が多いピレスロイド剤は、長期間連続的に使用される電気蚊取り剤やタンスやクローゼット内で使用される衣料用防虫剤のほか、噴霧式や蒸散式の殺虫剤などに広く用いられています。
ピレスロイド剤の中には内分泌かく乱作用 (環境ホルモン様作用) を有する物質や神経毒性作用を示す物質も含まれており、ヒトの健康への影響が懸念されます。しかしながら防虫、殺虫剤等の住宅への持ち込み品に関しては、基本的に未規制であること、室内空気中には非常に多種類の化学物質が存在しますが規制の対象がごく一部の化学物質に限られていること、などからその対策は十分とは言えません。また住宅内で使用されるピレスロイド剤の空気汚染レベルや住人の曝露レベルについては無臭という特徴ゆえ高濃度になっても気づかないという点でほとんど把握されていません。
私たちはその存在に気付かずに呼吸して生活しています。また、それぞれの健康影響(微量の急性影響)もよくわかっていません。防虫、殺虫剤の使用による我が家の空気汚染度合い、空気濃度指針値(現時点で入手可能な毒性に係る科学的知見から、ヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値を算出したもの)は国が定めている指針値を上回っている恐れはないのか、健康に影響を与える可能性については何より重要な関心事です。

産業用無人ヘリコプター
一般に化学物質を取り込むのは、8割が肺からと言われています。
EUでは農薬の空中散布は法律で禁止されていますが、日本では未だに産業用無人ヘリコプターが2400機も飛び、農薬散布面積も増大しています。
ヒトは1日に28000回も呼吸をしています。健康生活に欠かせない良質な空気環境を常に選びたいものです。

農薬や化学物質については、環境への負荷、生態系への悪影響、複合汚染の問題などを私たちはもっと知り、勉強する必要があります。
農薬規制、見直しなど、先進諸外国に於ける、かのような歴史の繰り返しがあった事実を知り、世界の専門機関の基準や所見、各国独自の基準や我が国の対応、諸外国との比較を知り、私たち消費者はもっと視野を広げ、社会的背景を詳しく知る必要があるのではないでしょうか。
生活に密着した製品を使用することは、すなわち家庭単位で実践しなければならない健康問題と直結します。問題がおきてから慌てるような事ではなく、予防的見地からの対応が重要です。国際的な視野で背景を知り、常に疑問を持ち、納得して使用する事が消費者に求められる時代ではないかと思います。

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豆情報:過去ニュースなど
たとえば有機リン系農薬が低用量(日常曝露量)でも子どもの尿から検出されるとADHD(注意欠陥多動性障害)を発症する確立が2倍上がるという研究も米国で発表されています。米国科学アカデミーは、これまでの研究により、子どもの発達障害や行動異常の約3分の1は、農薬やその他の化学物質の直接的影響、あるいはそれら曝露と遺伝子の相互作用が原因で起きると推定しています。
(National Academy Press 2000)

殺虫剤に使用される有機リン系農薬やネオニコ系農薬は微量でも、脳で情報を伝達するアセチルコリンの働きを狂わせ、脳の一部の神経回路が清浄に発達せず、発達障害になると懸念されています。またピレスロイド系農薬も人への神経毒性が懸念されています。国内に於いては、家庭で使用される殺虫剤に含まれる農薬成分が、使用後も数時間以上、高濃度のまま室内の空気を汚染し続ける事が確認。
(1992年7月16日朝日新聞朝刊)

殺虫剤メーカーは商品に危険性をはっきり明記し、消費者も安易な使用を控えるべきだ、指摘している。2002年にはダニやゴキブリ駆除を目的とした「一回使いきり型」の殺虫剤が床や壁に付着した殺虫成分が換気をしても残留している事などが国民生活センターの商品テストでわかった。
(2002年8月22日朝日新聞 朝刊)

2013年農林水産省は子どもへの悪影響を念頭に、有機リン系殺虫剤の使用に関し、住宅地や周辺で極力使わないよう自治体などに求める局長通知を初めて出し、むやみに殺虫剤をまかないというルールに改めた。ただし有機リン系殺虫剤に対する農薬取締法や薬事法上の規制が強化されたわけではない。
(2013年10月30日朝日新聞朝刊)

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