以下は弊社の正式な決定事項です。
この度、生活アートクラブでは、販売促進用カタログ誌面に使用する用紙に、九州全県の杉材利用をした間伐材30%含有の印刷用紙「木になる紙(国内初)」を使用することを決定致しました。9月1日以降、順次使用して参ります。つきましては、以下、企画~製作までの経緯、背景、関係各社、環境効果、山林への還元など、概略のご報告をさせていただきます。
九州森林管理局 は国際森林年に先立ち「九州の森づくりに関する共同宣言」として、民有林、国有林を問わず、各県が連携、協力し森林整備の着実な実行、九州材の利用促進、森林環境教育の推進に一層取り組んでいくことが重要であると各県知事が署名の上、共同宣言。
九州、沖縄全土の森林(約280万ha)の約2割に相当する約53万haを管理・経営。
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・国産材の戦略的市場開発や流通・加工の改善
九州局では、国有林材のシステム販売を通じて、
外材利用から国産材利用への転換(スギ、ヒノキを使用した合板、集成材など)、
新たな国産材需要(2インチ×4インチ材)の創出など
国産材の戦略的市場開発や流通の効率化等を推進してきました。
今後は、民有林との協調販売等も推進しながら、この取組を進めていきます。
・森林資源の有効利用システムの開発実証
地球温暖化防止等の観点からも森林資源を有効に活用する必要性は高まっています。
しかし、低質の森林資源の大部分が未利用の状態にあり、
利用されない林地残材は全国で年間2000万m3程度に上るとされています。
このため、木材のバイオマス利用も含め、低質・未利用材(C材、D材)も含めた
効率的な搬出方法や利用方法の開発・実証を推進していきます。
・木材自給率の低い「紙」分野での間伐材利用の拡大
身近で毎日触れる木質の商品である紙:九州間伐紙「木になる紙」の普及を通じて、
スギの需要拡大を 図るとともに、この運動を通じて、環境配慮型の消費行動の拡大や
森林・林業への理解の増進に貢献していきます。
A1.日本の人工林の8割は、戦後に造林されたスギやヒノキが数多く存在しており、
そのほとんどが間伐が必要な年齢を迎えています。しかし、現在は様々な理由により、間伐遅れの森林が多くあります。
適切な間伐が行われないと、お互いの木が邪魔をし合って成長を妨げます。
成長が妨げられると枝葉が十分に伸びず、太くて長い木が育ちません。
健康で丈夫な木は二酸化炭素の吸収を促進するのです。
また、根が十分に張れないと、大雨が降った時などは土砂崩れの原因にもなってしまいます。
このためには間伐を中心とした森林整備を行い、人工林を健やかに生育させることが不可欠なのです。
間伐が遅れ、光の入らない林内 |
下草が生えず、山の表面が剥き出しになっている |
適度な間伐がなされ、 万遍なく光が差し込んでいる |
間伐材は様々な製品となって流通されます |
A2.最近の異常気象や自然災害の多発により、地球温暖化に対する国民の関心が高まっています。
京都議定書の第一約束期間の半ばを過ぎた現在、地球温暖化防止のため間伐を中心とした森林の整備を進めるべきと考える人々も増加していると考えられます。
しかし、一般の方々が間伐推進への取組に簡単に参加できる手法は多くありません。
間伐の重要性が認識されつつも、そうした認識が必ずしも行動に移されているとは言えないのが現状です。
A3.間伐が進まない大きな理由の一つは、木材価格が低く、伐採・搬出・運搬の経費に見合わないことです。
そのため、経済的な手法により間伐の推進を図ることが最も効果的であると言えます。
間伐のコストに見合う木材価格や収入が担保できれば、森林所有者は間伐を行い、また、間伐されることで山は元気になります。
山が元気になれば、地球温暖化防止だけではなく、国土の保全、水源のかん養など、森林の様々な機能が強化され、国民の安全・安心をより高めることが出来ます。
一般の方々がを推進するための手法として、ボランティア等による間伐実施の取組等があります。
これらは間伐推進のための重要な取組ではありますが、広大な人工林の多くをカバーすることは難しいと言えます。
このような状況の中、私達一人ひとりが参加でき、かつ経済的に森林所有者等を後押しできるように、間伐材の利用拡大により間伐推進を応援する実効性のある仕組みづくりを目指して、間伐紙のプロジェクトは始まりました。
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