農薬を使わない、植物成分の虫よけスプレーのススメ

殺虫剤について考える

ギョーザ事件をきっかけに、殺虫剤に農薬成分が用いられているということが、新聞等で取り上げられました。この出来事を通して、殺虫剤が農薬成分だと知った方もいらっしゃるかと思います。

しかし、農薬が使われているのは、農作物だけではありません。

多大な健康被害をもたらしたメタミドホスは、日本では製造・使用されていませんが、同じく付着が確認された有機リン系のジクロルボスは、日本でも家庭用殺虫剤として広く使われてきました。

「人間に安心」のもっと先へ

殺虫剤は、人に対する安全性が十分確認された上で製品化されていますし、より人体への影響が少ない薬剤に切り替わってきているのも確かです。しかし、中には発がん性や環境ホルモンの疑いがある薬剤もあります。

床や壁に噴霧するタイプの殺虫剤は、より薬剤の影響を強く受ける子どもやペットが触れやすい製品です。また、人間や犬・猫には大きな影響がなくても、残留性が高く環境を汚染する薬剤もあります。

現在、主な殺虫剤に使われている農薬のリストを作りました。やむをえず農薬を使用する場合にも、毒性の情報を知ることは大切です。ご家庭に殺虫剤をお持ちでしたら、確認してみてください。

現在主な殺虫・防除剤に使用されている薬剤 参考『農薬毒性の辞典第3版』三省堂

主な使用製品

薬品名

系統

毒性

ゴキブリ用殺虫スプレー

イミプロトリン

ピレスロイド系

新型の殺虫剤成分。毒性は低いと言われているが詳細データは不明。

ゴキブリ用殺虫スプレー

d-T80-レスメトリン

ピレスロイド系

毒性は低いが、残留性あり。

ハエ・蚊用殺虫スプレー

フタルスリン

ピレスロイド系

変異原性、突然変異、不定期DNAの恐れがあるとも言われているが、試験データの詳細は未公開。

エアゾール式殺虫剤、花壇用農薬など

ペルメトリン

ピレスロイド系

神経毒性が強く、湾岸戦争のアメリカ帰還兵にみられる健康異常の原因の一つと言われている。 

アメリカ環境保護庁はヒトに対して発がんの恐れのある農薬としている。環境ホルモンの疑いあり。

ダニ用加熱蒸散剤

d-T80-フェノトリン

ピレスロイド系

環境ホルモン。使用した男性の乳房が膨らんだ事例あり。残効性が高く、環境汚染の恐れあり。

衣類用防虫剤

エムペントリン

ピレスロイド系

家庭内の大気を汚染する可能性あり。中国での実験では変異原性ありとの実験結果。

吊り下げ型蒸散剤、ペット用ノミ取り首輪

ジクロルボス

ジクロルボス

劇毒指定。(急性毒性)めまい、頭痛、嘔吐、歩行困難、失禁など(慢性毒性)皮膚炎。発がん性あり。

データは20084月現在の資料を元にしたものです。

今後、毒性が新たに確認されたり、安全性が確認されたりすることがあります。



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