生分解性100%の袋

生分解性100%の袋

This bag is 100% biodegradable

早急に対応が必要な、
海洋プラスチックごみ問題

海に大量に流入するプラスチックが、世界的な問題となっています。

経済の成長や便利なライフスタイルへの移行と共に増加の一途をたどってきた、この海洋を汚染するプラスチックごみ。多くのプラスチック製品を生産、消費している日本も、無関係ではありません。国際的にも大きな責任を持つ国の一つとして、この「海洋プラスチック問題」の解決に向けて早急に対応していく必要があります。

2050年には海洋プラスチックごみは海の魚の量を上回り、消費する原油の20%がプラスチック生産に使用されると予測されています。

大量のプラスチックが日常的に利用される暮らしが当たり前になっている日本は、1人当たりの容器包装等プラスチックの発生量が世界で2番目に多く、世界第3位のプラスチックの生産国として、世界の海洋プラスチックごみ問題の一因を作りだしていると言われています。

使用量を削減するための代替品として、近年はPLAポリ乳酸等のバイオマスプラスチックや、生分解性プラスチックの開発等、報告がなされていますが、これらについては、製品の一部にしか使われていないものや海洋微生物分解性が無い、または未確認であったり、バージンプラスチック樹脂とブレンドされた製品はリサイクル品の品質が不安定等の問題、更には遺伝子組換え作物としてのサトウキビやトウモロコシが使用されかねない点等、人体への安全性も問われています。

本当に環境への影響がないといえるのか、また紙のように森林の破壊につながる可能性のある資源については、その持続的な利用が担保できる状態での代替品への移行が可能なのかを、慎重に検討していくべきであると言われています。

エコデパの環境への取り組み

2020年7月1日、レジ袋有料化のこの日に向け、エコデパの運営会社である生活アートクラブでは、100%生分解可能な「袋」(多目的で使用可能、レジ袋に特化したものではありません)のテスト生産を行いました。

エコデパの会員さまには、ご注文配送時に「試作品」としてご報告とお披露目を兼ねてお荷物に同梱させて頂いております。(限定数に達し次第終了とさせていただきます。)

現段階に於いては、材質強度の点、国内の気候条件(湿度、温度)に適応できるか等、保管状態による劣化の可能性も若干否めません為、現段階で販売は致しません。あくまで弊社の取り組みの一環としてのご報告を兼ねたものです。

試作品製造の意図は、環境問題がより前進できる可能性のある製品については、その特性や弱点を理解しながら更なる技術進歩と期待値をもって近い将来の導入を目指す為でもあります。

この袋は植物成分100%。原料はキャッサバ(タピオカの原料)です。生産国はインドネシアです。

数回に亘り現地訪問の上、開発者の想いと経営哲学に触れ、早速テスト生産をする事に決めました。

開発者からは、生活アートクラブとミッションが同じ方向である事が確認出来て良かった、両者とも取り組む背景を大事にしているという事で意見が一致。今後、更なる技術改良や活用法、国内市場のニーズや本気度、コスト面の進化を遂げた段階で弊社に於いて大量生産を検討しているところです。

キャッサバ袋生産のもう1つの目的、貧困支援

インドネシア人の社長はアメリカの大学出身。帰国後、バリ島の海の汚染状態を目の当たりにし、心を痛め、また自国の貧困支援も含め何か出来ないか、考えた上でこの事業に着手しました。

原料のキャッサバはインドネシアでは持続可能な資源であり豊富に栽培が可能。当初、現地にキャッサバのプランテーションがあって、それでも世界中からの引き合いに原料に不足する事がないのか、多少の疑問があったのですが、栽培している品質の良いものは「食べ物」として取引される為、一部食用の品質に満たないものを利用しているのだそうです。

ただし大半は貧困層(バリ島は観光地であり、比較的経済は豊かだが、ジャワ島初めインドネシアは貧困層が多い)が家庭菜園レベルでキャッサバを栽培。貧困層の人々はお金はないが庭は持っている、これも広大な国土を有するインドネシアならでは。そしてこれに特化した回収業者が存在し、これらをすべて家庭から買い取って原料としてジャワ島の工場へ持ち込みます。

ジャワ島の工場は回収される原料の近くに位置し、ここで袋製造の原料となるキャッサバのペレットを製造。もう一つの工場が製袋工場を保有、袋の製造を行っています。

すなわちキャッサバの袋は、海洋汚染問題の解消と貧困支援を2大目的としています。

ちなみにキャッサバ栽培はマンゴーやパパイヤよりも簡単に出来るのだそうです。食糧として考える場合は保存性の高いことが要件であり,インドネシアではもっぱらガプレク(GAPLEK:キャッサバの乾燥品の事を言う)の形で用いられています。

キャッサバはやせ地や早ばつに強く,他の作物のできない土地にも栽培可能なため,一般に地理的条件が劣った耕作地に栽培されることが多いそうです。したがって収穫物の多量かつ迅速な運搬は困難であり,収穫地に於いて、その場で直ちに剥皮、日乾してガプレクとしてから運搬や貯蔵に供されます。

強度や劣化速度等、品質面については、実際のところもう少し改良の余地がある事は否めません。現地製造メーカーもその特性を納得した企業にのみ取引を行っています。その特性も知って頂きながら少し長い目で応援を頂きましたら幸いです。

生活アートクラブでは「(援助ではなく交易としての)民衆交易」運動の一つとしても、この袋の使用推進と開発支援に力を入れ、応援して参ります。

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