化学物質 | 指針値* | 主な用途 |
ホルムアルデヒド | 0.08ppm | の建材を加工するときに用いられる合成樹脂、接着剤、防腐剤等 |
アセトアルデヒド | 0.03ppm | 接着剤、防腐剤等 |
トルエン | 0.07ppm | 内装材等の施工用接着剤、塗料等 |
エチルベンゼン | 0.88ppm | 内装材等の施工用接着剤、塗料等 |
キシレン | 0.20ppm | 内装材等の施工用接着剤、塗料等 |
スチレン | 0.05ppm | ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等 |
パラジクロロベンゼン | 0.04ppm | 衣類の防虫剤、トイレの芳香剤等 |
テトラデカン | 0.04ppm | 灯油、塗料等の溶剤 |
クロルピリホス | 0.07ppb | しろあり駆除剤 (小児の場合は0.007ppb) |
フェノブカルブ | 3.80ppb | しろあり駆除剤 |
ダイアジノン | 0.02ppb | 殺虫剤 |
フタル酸ジ-n-ブチル | 0.02ppm | 塗料、接着剤等の可塑剤 |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 7.60ppb | 壁紙、床材等の可塑剤 |
クロルピリホスについて
有機リン系化合物である「クロルピリホス(chlorpyrifos)」は、アメリカ環境保護庁(以下EPA)が1965年に登録した殺虫剤で、農業用、家庭用、工業用として広く使用されています。
芝生の昆虫、アリ、ゴキブリ、ノミ、ダニ、蚊、シロアリに対して殺虫効果があり、アメリカで市販されている一般的な商品には、ダーズバン (Dursban)、 Empire 20、Equity、Whitmire PT 270、農業用のローズバン(Lorsban)があります。
2000年6月8日,米国EPA(環境保護庁)は,有機リン化合物クロルピリホス殺虫剤の住居を含む建物内における使用を事実上全面廃止すると発表しました。なお,この施策については製造企業とも合意ができたうえでの発表となっています。
(参考資料)
米国環境保護庁長官 キャロル M. ブラウナー Carol M. Browner氏の講演演説
2000年6月8日 ワシントンDCにて行ったものです。以下を参照して下さい。
https://www.epa.gov/epahome/speeches_0608.htm
クロルピリホスは米国で一般家庭や公共施設などで害虫駆除等の目的等で広く使われてきましたが,こうした場所での使用は今後全面的に廃止になります。ま た,EPA(環境保護庁)はクロルピリホスの農作物への使用も大幅に規制していく,としています。
今回の決定は,特に子どもの健康および安全性確保に重点がおかれ,子どもが曝露する可能性の高い家庭内・学校など公共施設および食品などでこれ以上,この殺虫剤が使われないよう厳重に配慮されたものとなっています。
しかし,企業との合意で,即時に市場からクロルピリホス製品が全面排除されるのではなく,使用目的ごとにある程度の期間を設けて段階的に減らしていき,限 定された一部の使用目的以外については,最終的に全面廃止にまでもっていくことにしています。但し,特に子どもが曝露する可能性の高い場所での使用につい ては早めに対策を取るよう配慮しています。
シロアリ防駆除業者などでつくる「日本しろあり対策協会」も2000年12月から幼児や妊婦らの住む家屋などで、2002年4月からは一般家屋での使用を自粛しています。
ただ、同協会に加盟している業者は業者全体の三分の一の約千社にすぎず「加工業者以外が使っていないとはいえない」(同協会)のが実態です。