雪室ぬか
もっと健康になろう!
なぜ生活アートクラブが
食品を扱うようになったのか

代表・富士村のルーツを辿れば
「いのち」ある食品にいきつく

生命あふれる食卓へ

1861年、パスツールは「生命は生命からのみ生まれる」との学説を唱えました。私たちはいのちを継続するために、いのちをいただく——これが基本。
食の質は極めて重要です。なぜなら「生の質」を高めるために、食の質は不可欠だからです。

しかしながら、いのちのない食品、原料の出処、製造の裏側が見えにくい食品が世の中には溢れています。それだけ健康の維持・向上が難しくなってきた時代ともいえます。食がからだをつくるという認識や教育をもっと徹底する必要があると思います。質的に「もっと健康になる」ことこそが重要だと考えます。

振り返れば、弊社は2002年創業時から「いのちを大切にする」ため、健康と環境について一生懸命に考えてきました。エコロジー雑貨問屋である弊社が創業時に掲げたスローガンが「もっと健康になろう!」だったのは、環境問題も健康問題も、どちらも「いのち」に直結するからです。

健康とは単に病気でないことをはるかに越えているものです。健康の質は自らの心がけでもっとレベルを上げることができます。いのちに近い食物を摂ることとともに、緑黄色野菜を欠かさず、 腸内環境を意識した伝統的な発酵食品の摂取、良質な水を廻らせることも必要です。


こういった場で公表するのは初めてですが、私の曽祖父・正垣角太郎(まさがき かくたろう)は、国内に於ける乳酸菌研究の第一人者です。東欧から乳酸菌を買い集め、1914年、日本で初めて京都に乳酸菌研究所「不老園」を設立して、日本初の生菌ヨーグルトの製造に着手しました。

曽祖父・正垣角太郎

曽祖父・正垣角太郎

祖父・正垣一義

祖父・正垣一義

乳酸菌研究所(京都・不老園)

乳酸菌研究所(京都・不老園)



祖父・正垣一義(まさがき かずよし)は、その後さらに研究を発展させ、1949~50年には国会で「佛教原理の應用範囲」、「長寿論と有効細菌について」と題した、国民体質改善を目的とした腸内細菌に纏わる講演を二度にわたり行い、賞詞を受けました。

そのような家系に育った父と母による健康食生活への人体実験(?)が、赤ん坊の頃から私に行われていたわけです。現在、60歳を目前にした私にとって、小学校4年生の折、遠足帰りのバスの中でお腹が痛くなり、担任の先生が処方してくださった正露丸1錠が、生涯でたった1度きりの薬の服用経験なのです。

何が丈夫なからだをこしらえたのか、これといった要因をひと言では表現できませんが、振り返れば、わが家の食生活は相当の覚悟を持って築かれていました。現在の私の生活は、その頃の食生活を継続しているものではありませんが、少なくとも20代半ばまでの家庭食が現在の私のからだの基盤となっているのでしょう。その基盤ができてしまえば、そうそう簡単に崩れてしまうようなものではないとも感じています。

元来、人のからだには平常な状態を維持しようとする恒常性が備わっていて、健康な状態にあるときには、それを維持することは比較的容易です。私はこれをからだが持つ「保守性」と考えます。言い換えれば不健康な状態も放っておけばその状態が維持されやすく、健康な状態に戻すには相当の決心と努力が必要なのです。それゆえに健康を維持することはとても重要であり、見方を変えれば楽なことでもあるわけです。

「食」で腸内環境を整えて免疫力を高める

免疫力と密接な関係があるといわれる腸内細菌叢(そう)は、母親からいのちの財産として受け継がれたもので、すべての人が固有の腸内細菌を持っています。「叢:そう」とは訓読みで「くさむら」、すなわち細菌群の「固まり」という意味で、良質な食べ物によって、より強固に活性化され育まれていきます。

一般的に「腸活」というと、ビフィズス菌やヨーグルトなどを直接、経口摂取することで、腸内の菌数が増えて活性化されると思っている人もいるようです。しかし、私は直接摂取より、むしろご自身の腸内環境を活性化させる豊かな食生活に替えることのほうが望ましいと考えています。

そのための重要なポイントは、なにか最高の食品を追い求めるのではなく、ありとあらゆる食材を、さまざまな調理法で摂ることだと考えています。そうすれば、すべての食材が最高の食品となって 腸内環境を活性化するでしょう。栄養とは摂取する食品が、そのまま栄養化に直結するものではありません。人によって栄養化されていくシステムが異なっています。まったく同じ食事をしている兄弟が異なる体型をしているのはそのためです。

私たち自身ができる最善の策とは、バランスのとれた理想的な食事を摂ることで、からだが上手に栄養化できるようサポートすること。そうすれば私たちの腸に棲息している腸内細菌も、栄養の恩恵を受けながら育まれ、共存共栄していくことができます。これは日本食の原点にも繋がります。日本食は多彩な食材があるばかりでなく、調理法においても、生・煮・焼・蒸・炊・茹・炒・漬・焙のほか、発酵や半生、蒸し焼きなどの繊細で複雑な伝統的調理法があり、季節感を生かし、初物や旬の喜びを食膳に供することを大切にしてきました。

身土不二(しんど ふじ)という言葉にあるように、自分が生きている土地の物を食べ、季節を取り入れ、農を感じ、素材に触れることが食の基盤。利便性や企業利益優先の「腹を満たすだけ」の飽食の時代の犠牲者にならないよう、からだとこころをつくる真の健康をつくりあげていく必要があります。

日本の食の現状を考えながら、質の高いいのちとは何か、いのちをいただくとは何か、家庭で食について話し合ってみませんか。


文責:代表・富士村夏樹

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