お米
日本の「食」のあり方を、お米を通して考えてみませんか

和食を食べる頻度は増加。なのに、
私たちはお米や漬物は食べていない⁉

日本の食文化を語るうえでお米は欠かせません。

日本人の健康を維持するのに「ごはん」と「お味噌汁」の組み合わせが有効であることは、科学的にも実証済み。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、家庭でのメニューに和食の頻度が増加傾向にあるとの報告もなされています。しかし、興味深いことに「白米」「味噌汁・吸い物」「漬け物」の需要は減っているのです。

古来、日本の主食はごはんで、汁物に副菜三品、お漬物という「一汁三菜」が日本食の王道でした。10年前と比べても、家庭のメニューの品数にはほとんど変化はないので、ご飯抜き、お味噌汁抜きという和食献立に変化していることが分かります。お味噌汁は出汁をひかねばならないことが、ハードルを高くしているのかもしれません。

消費者の食卓における米離れが、お米をつくる生産者の暮らしや田んぼに危機的な影響を及ぼしていることにも注意を払わなければなりません。先進国のなかでも圧倒的に食料自給率の低い日本において、お米は消費量のほぼすべてを国内で賄える数少ない食べ物の一つです。にもかかわらず、お米の消費量は40年前に比べ約半分に減少。米価の下落も激しく、米づくりでは生計が成り立たない農家が、作付けを諦めたり田んぼを手放したりしています。耕作放棄地は5年間で約2倍に増加。一度放置された田んぼはたちまち雑草が繁茂し、病虫害の温床になってしまいます。ひいては荒れた土地が農村の治安や生活環境の悪化を招き、日本の風土や文化に深刻なダメージを与えかねません。

近年の日本の米づくりの主流は、できるだけ少ない手間でたくさんの収量をあげようとする効率第一主義。農薬や化学肥料をたくさん使った田んぼは痩せてしまい、残念ながら「いのちを育む」という環境にはほど遠い状況に感じます。

お米から始まる和食レボリューション

エコデパジャパン運営会社の生活アートクラブでは、健康の質を高めるための「食」のあり方を、「いのちをいただくことが、クオリティの高いいのちを育む」と言う観点から提唱しています。いまや飽食の時代などと悠長なことを言っている暇などなく、むしろ自国民が自国で賄えるお米をはじめとする食物の供給を十二分になるよう国土を耕せるようでなければなりません。

私たち日本人は古来、自然との共生を大切にし、神羅万象を神として敬い、祭りをおこない、習俗を継承し、共同体をつくってきました。そして、その中で育まれた豊かな情感、繊細な美意識、優しいもてなしの心などが、食文化を形成してきたのです。農村や山村、漁村にある暮らしは、まさしく日本の原風景、日本人の心の原点でもあります。

そこで生活アートクラブでは、日本の食文化、特に日本人の主食であるお米の美味しさを伝えることを大きな目的の一つとしたいと思います。そして、さまざまな風土の中でつくられた、ごはんに合う佃煮や漬物、伝統的な発酵食品、また、こだわりの基本調味料なども紹介していきます。日本全国47都道府県には、まだまだ驚くほど豊かな特産・名産品がたくさんあります。日本人のからだを健やかに保つ和食の妙味をご一緒に味わいましょう。ご期待ください。


文責:代表・富士村夏樹

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